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海賊のほうも重武装してきて、結局は逆効果にしかならないんじゃないかと思います。そうすると、あとはもう二つしかありません。まず通信の設備を徹底させること、そして、インドネシア、マレー半島、シンガポール周辺の警備体制を強化してもらうほかないです。この国々は、やはりこういう海賊が出るぐらいですから、決して豊かではありません。豊かな所から海賊は出てきませんから、どちらかというと貧しいと思うんです。だから、警備体制を強化してもらうために、世界中が資金協力をして警備艇をもうちょっと増やして、哨戒を頻繁にやり、敏速に対応するしか手がないんだと思います。素人考えで、これだけだと思うんです。

そして、テンユウ号とかアロンドラ・レインボー号事件を見た感じでは、組織化された強力な集団という感じはいたしませんので、今のうちに芽を摘んで、海賊行為は損だということを、思い知ってもらうほかないんじゃないでしょうか。

今どき海賊と言ったら、だれでもびっくりします。恐らくマラッカ海賊なんて言っても、ご存じの方は日本人の中で何割いるでしょうか。何百年か昔の話だと思われているだろうと思います。だから、マスコミにもう少し海賊情報をきちんと書いていただいて、何をすればいいかということをPRするとともに、日本がこのマラッカ海峡を通って南シナ海を通るよりほかに太平洋に出る道がないんだということを、はっきり皆さんに分かるように、新聞その他で宣伝してもらうことが一番ではないかと思います。

つまらん話になりましたけれども、そろそろ疲れましたんで、これでやめさせていただきます。今日はありがとうございました。

 

 

 

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