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(ロ) IMDGコードの将来の改正を採択する手順について

事務局から、将来の2年ごとのIMDGコード改正への対応方法について、SOLAS条約第8条の規定に基づき、奇数年に開催されるDSC小委員会において、直近の国連勧告の改正に対応したIMDGコードの改正案を準備し、6ヶ月間の回章、拡大MSCでの審議・採択を経て、次の奇数年の1月1日から1年間の移行期間(transitional period)を設けて実施し、拡大MSCでの採択から18ヶ月後となる次年の1月1日から義務化する方法が示された。

これに対して、日本は、MSC73に日本から提出(MSC73/7/1)した文書のとおり、IBCコードの例に倣い、4年ごとの改正を維持し、2年ごとに改正される部分については、MSCサーキュラーで締約国に勧告ベースでの実施を指示する方法を主張した。

これに対して、蘭、ベルギー、露、米、加、仏、ギリシャ等から、国連勧告の2年ごとの改正にあわせてIMDGコードの各回改正を採択するべきであるとの意見が出され、IMDGコードの改正採択の手順については事務局案のとおりとすることとなった。

また、これに関連して、英等から、transitional periodの間に適用すべき基準が不明確であるとの指摘がなされ、審議の結果、この間は、従前のIMDGコード及び直近にvoluntary basisで採択されたIMDGコードのいずれによってもよいこととなった。

(ハ) SOLAS条約附属書第VI章及び第VII章の改正案について

事務局から、日本提案(MSC73/7/1)をベースとした改正案が示され、ドラフティンググループ(DG)において審議されることとなった。また、IMDGコードの改正及び強制化に伴い、SOLAS条約附属書第II-2章の一部を改正するべきとの提案がノルウェーからなされ、これについてもDGにおいて審議することとなった。

(ニ) IMDGコード中の勧告部分の明確化

MSC73で合意された、教育訓練等の勧告部分については、コード中の文言のすみわけで対応するほか、コードに勧告部分を明確化する規定をおくことで合意され、このためのコードの一部改正案の作成作業がDGに付託された。

特に、教育訓練要件については、ギリシャ、独、仏等がその重要性を主張したが、第31回改正においては勧告要件にとどめることで合意された。本件に関しては、別途議題8にて検討されることとなった。

(ホ) MARPOL73/78附属書IIIの改正案について

審議の結果、IMDGコードの強制化に伴う、MARPOL73/78附属書III(容器に収納した海洋汚染物質)の改正は、規則1の脚注の部分を除き必要ないということで合意された。

 

(2) DGでの審議

プレナリーでの審議を踏まえ、以下の文書を準備するとともに、MSC/Circ.642の一部改正をMSC75で採択する必要があること等を審議した。

(イ) MDGコードを強制化するためのSOLAS条約附属書第VI章及び第VlI章の一部改正案

(ロ) IMDGコードの採択のためのMSC決議案

(ハ) IMDGコードの強制化に伴うINFコードの一部改正案

(ニ) SOLAS条約附属書第II-2章の一部改正案

(ホ) IMDGコードの強制化に伴うINFコードの一部改正案

(ヘ) IMDGコードの勧告部分を明確化するためのIMDGコードの改正案

 

(3) DGの報告書の審議

DGの報告書の審議の結果、上記(イ)〜(ハ)及び(ヘ)の改正案及び決議案が一部語句修正の上合意され、MSCに送られることとなった。

また、(ニ)については、MSC76での採択のためFP小委員会に送られることとなり、(ホ)については、MSC75での採択のためE&Tグループに送られることとなった。

さらに、IMDGコード強制化に伴うMARPOLの一部改正の必要性に関する小委員会の見解はMEPC47に送られることとなった。

 

 

 

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