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補足資料 A. システム最適化検討について

 

本プロジェクトの開始当初にシステム検討のためのシミュレーション計算及び遮熱部品の構造解析計算を実施した。研究開発の進捗の過程で燃料改質システムへの水蒸気改質システムの追加や詳細設計により形状変更された遮熱部品の構造解析などが実施された。この内容は報告書本編に詳述されている。初期に行った事前検討結果は本編の内容と一部重複しており併記すると混乱を招く恐れがあるので以下に補足資料として添付する。

 

A. システム最適化検討

A.1 シミュレーションプログラムの作成

サイクル計算プログラムに燃料改質装置、排気エネルギー回収タービン及び蒸気タービンシステムの計算プログラムを一体化して総合熱効率の最適化計算を可能にした。

 

(1) サイクル計算プログラム

本プロジェクト開始以前に作成済みのシミュレーションプログラムであり、天然ガスエンジンの諸元、熱発生率、副室弁開弁時期、給排気状態、燃焼室温度などの各種パラメターを入力するとエンジン出力、方熱量、排気温度などを計算することができる。本プロジェクトで開発するシステムはエンジンに加えて、燃料改質装置、排気ガスタービン、蒸気タービンを備えているので、サイクル計算結果を使用して自動的に追加装置のシステム計算を行うプログラムを新しく作成してサイクル計算プログラムに付加した。

 

(2) 燃料改質装置の最適化プログラム

燃料改質装置の改質効率は温度により大きく変化する。高温の排気ガスを流入させた場合も改質により燃料に与えられたエネルギー相当の温度低下が発生する。従って改質効率として改質中の平均ガス温度に相当する値を使って計算する必要がある。改質装置は熱交換器であり外部への放熱が避けられない。熱交換効率も考慮する必要がある。サイクル計算により得られた改質装置入り口ガス温度、ガス流量及び改質装置の改質効率曲線と熱交換効率により改質効果を算定する。改質効率は繰り返し計算により装置出入り口の平均ガス温度に相当する交換効率を算定した。

 

(3) 排気エネルギー回収タービンの最適化プログラム

回収タービンにより得られる効率改善効果はタービン入り口と出口の圧力比、入り口ガス温度、ガス流量により計算されるタービン仕事からコンプレッサーの仕事と排圧増大によるエンジン出力低下を差し引いた残りとして算定される。排気圧力による出力低下と排気タービン出力増大との差異により排気タービンの熱効率改善効果を算定した。

 

(4) 蒸気タービンによる熱効率改善効果算定プログラム

排気タービン出口の排気ガスを蒸発器に導入して過熱水蒸気を発生させる。この水蒸気を蒸気タービンに送りエネルギーを回収する。燃料改質装置及び排気タービンによる排気エネルギー回収後に残った排気エネルギーを取り出すのであり、それぞれの回収システムの設定条件により決まる蒸気タービン流入ガス温度に対して効率改善効果が最大になる仕様を計算する。

フローチャートを図1に、主な入出力データを表1、及び表2に示す。

 

 

 

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