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海道五十三次 「マリンロード」構想

プレジャーボートでゆく 安全ゆとりの海道旅行

 

「観光旅行」。時間に追われ多忙な毎日を送る私たちにとって、何と魅力ある響きを感じさせる言葉でしょうか。

目的地まで、往路・復路もまた楽しみのひとつです。飛行機・新幹線あるいは、田舎びた山間をのんびりと走る電車やマイカー。どの交通手段をとっても、心を癒す貴重なひとときとなりましょう。

史実でも明かなように、先人は陸の観光地を船でしばしば海から訪ねました。「マリンロード構想」は、海からプレジャーボートで陸の観光地や宿場町を訪ねてみたいという発想から生まれたものです。

海から訪ねることによって忘れかけていた「もうひとつの日本」にめぐり会えるのではなかろうか。

そんな期待と願いを込めて海上保安庁が、いまこのプロジェクトを進めています。“安全”をキーワードとする夢のあるこの構想のアウトラインをご紹介しましょう。

 

「海で安全に楽しく遊ぶ」をキーワードに、昨年から海上保安庁は、マリンレジャーを積極的に推進する施策を次々と打出しています。元来、海上保安庁の主たる業務は、“5つの使命”といわれるように、治安の維持・海上交通の安全確保・海難救助・防災と環境保全・国内外機関との連携協力でありましたが、取り締まりのイメージが強いこれ等の業務に加えマリンレジャーを重点においた諸施策は、まさに画期的な姿勢であり、マリンレジャー愛好家にとって、非常によろこばしいことといえましょう。

昨年二月、海上保安庁に「マリンレジャー安全・推進室」が開設され、その取組みの第一弾として「海で安全に楽しく遊ぶ懇談会」が開催されました。

そのメンバー構成は、マリーナ経営者、プレジャーボート関係者、ダイバーサーフィン連盟、ライフセービング連盟、ボートセーリング協会、マリンイラストレーターなどで、マリンレジャーに関しての安全教育・啓蒙、愛好者の組織化、情報提供の内容や分析、事故原因の解明など幅広い意見が交換されました。

こうしたマリンレジャーに付ての様々の意見の中から、それをヒントにして安全振興や各地域の観光振興を目的とした、この「海道の旅(マリンロード)構想」が誕生しました。

この構想は、マイカーでドライブに行くように、プレジャーボートを使って、安全でゆとりある旅行ができる環境整備を進めるものです。具体的には、プレジャーボートの旅が安全に実施できるように最適な港湾や漁港・マリーナなどを海道の「宿場町」に指定し、それらを結ぶ安全推進航路(初・中・上級モデルルート)を設定。

 

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