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「これからの企業は、おのおのの部門が独自性をもって自由に動く。もう今までのように、本社が事業計画を立てて、各事業部がそれに従って動くという時代ではない。それぞれの事業部門が独自性をもって動く。なおかつ、求心力があり、一定の方向を向いていること。これがソニーの大きな遺伝子だ」というような主旨の発言をされていました。

仮に、3番目の「創造性(またはエゴ)」が無かったらどうなるか。これは従来の日本企業そのものなんです。皆、同じ方向に動きます。「近づき過ぎない」という距離感がないために、ぶつかるときは皆がぶつかってしまう。目の前に壁があると、そこにドーンとぶつかってしまう。ところが、一定の距離を保っていると、前の方が方向を変えたら、後ろは少しリレーをしながら変わっていく。それから、中心にばかり動いていったら、収縮してしまいます。先頭の鳥が、壁を感知して向きを変えた、それがだんだん伝わって、全体の動きになっていく。そういう形で滑らかに動くとしたら、納得できる理論です。

ビジネスモデルというのは、これから自分たちがこうしたい、この産業をこう変えたいというときの求心力になる。そういうものをデザインして実施していくパワー、これがアメリカの産業のダイナミズムになっていると思います。

私の話は以上です。どうもありがとうございました。

 

 

 

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