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ビジネスモデルについてのお話はここまでです。ここからは、クイズの答えも含めまして、私の会社の紹介をさせていただきます。ビジネス工房というのは、「コンサルティングの新しいビジネスモデルを確立する」ことを狙いとしています。今までは、コンサルティングは、コンサルティングだけで終わりでした。そうではなく、それを新しい戦略として具現化し、場合によっては事業として立ち上げることまでを支援する。支援するだけでなく、自分でもやる、一緒にやることもあるというのが、ビジネス工房の狙いです(資料21頁)。

経営方針としては、先ほど出てきた企業競争力モデルを、検証・実証していきたいと考えています。会社をつくるにあたって、一番最初に投資したのは「社名」と「ロゴ」です。それも「ブランド」にこだわるという意味からです。二つ目の経営上のねらいが、Boidモデルの検証・実証です。ここに(資料22頁)、クイズの解答があります。

あのBoidモデルには、三つのルールしかありません。一つは、「周辺の群れの中心に動こうとする力」です。周辺の群れとは自分がいるところの「周辺」で、このルールは、鳥の1羽1羽がどう動くかというルールです。自分の回りを見て、その中心がどこか、そこに動こうとします。それから、二つ目のルールは、周辺がどっちの方向を向いているのかを検知し、それと同じ方向へ動こうとします。そして、3番目が一番重要です。近づき過ぎないで一定の距離を保つこと。この三つのルールだけです。周辺をどの辺まで含めるかが問題ですが、この三つのルールだけで鳥の群れは滑らかに動きます。数学モデルですが、企業変革、あるいは、産業変革の基本的なルールではないかと思います。

企業経営における用語で言い換えてみます。例えば、三つのルールは、それぞれが、「求心力」「協調性」「創造性」となります。さらにナイーブな言い方をすると、「求心力」というと機械的なので「ビジョン」と言い換えることができます。さらに、それだと冷たい感じがするので「ロマン」と言うこともできます。また、「協調性」というと堅いので、私は「語り部」と呼んでいます。「創造性」、これは「独自性」、さらに言い換えて「エゴ」と言うことができます。「エゴでもいいじゃないか、自分がやりたいことをそれぞれに持っていることは構わないじゃないか」という意味です。

1年以上前から、この三つがキーだと思い始めました。必ずしも良いテクニックではないのですが、ソニーの出井さんも同じようなことを言っています。

 

 

 

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