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AというものをBに伝える場合に、当然ながらA→Bという矢印があるわけでございますが、この矢印が最近随分変貌してきました。例えばマスメディアの媒体で言えば、昔は新聞、テレビでした。ところが、インターネットだと一方通行の矢印ではなくて、両矢印になってくる次第です。A⇔B、ですからA→Bではなくて、A→B、B→A。最近ではこれを「双方向」と呼んだりしています。当然ながらメディアの主流はインターネットや携帯電話といったテクノロジーを中心とした新しいメディアへどんどん変換されつつあります。

では、その中で、Aというものはどう変わってきたのか。Bというものはどう変わってきたのか。そしてその矢印はどう変貌するのかということを考え、その時代に合った形で伝えていくというのが、僕の仕事の概念のお話でございます。簡単に申しましたが、このようなコミュニケーションというのは時代とともに変わっております。せっかく僕の前に白板がありますので、ちょっと図を書かせていただきます。

私の仕事はA→Bという、この矢印の仕事でございます。今まで確かにテレビの仕事は一方通行でした。ところが、インターネットや携帯電話はこうなるというお話を今しました。このコミュニケーションというのはA君からB君へでも構いません。ここが今両矢印になったように、ありとあらゆる市場の革命的なダイナミズム、これを最近ではよく「IT」というように言っています。

例えば、入ったばかりの新入社員がいます。入ったばかりの新入社員が誰かに、この会社はこうなるべきだと物を申したいときに、まず係長に言います。係長は当然ながらこの後にCという課長に言います。この後はDという部長があって、Eという担当取締役がいて、その上の常務がいて、副社長がいて、社長に行くという物すごい矢印だったのですが、最近は電子メールその他のお陰でいきなりこのAから最終地点へ、仮にこれをゴールのGとしますと、Aから最終地点のGまで飛び越すことができます。

 

 

 

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