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(3) 事業者ヒアリング結果

 

1] 現在の事業の動向について

・現在の利用者動向については、バブル期以後の景気の低迷もあり、企業などの団体客が減り、個人客へシフトする傾向がある。

・客単価についても、低価格化の傾向がある。

・そのような中、婚礼(船上ウェディング)や2次会利用のパーティーなどは堅調であり、収益上の重要な柱となっている。

・航行時間があまり長すぎると、利用者に退屈させてしまうことになる。2時間程度が限度。

・特定の日や時間帯に需要が集中しており、冬季、平日の利用数確保が大きな課題となる。

・昼間は家族連れ、夕刻〜夜はカップルの利用が多くなる。

・採算的には総じて厳しい状態となっている。

・中突堤新ターミナル(かもめりあ)の整備によって、身体障害者の利用が増えている。船まで段差なく乗れるということが大きい。

 

2] 事業上の留意点

・乗船そのものではなく、付加価値を楽しむという性格があるため、「おいしい料理」、「優雅な雰囲気づくり」、「航路自体の魅力と分かりやすさ」、「利用者にとって使いやすい時間設定」といった要素が重要となる。

・料理については新しさが重要。低価格化の中で、各社ともメニューや価格帯を多様にして、多くのニーズに応えるようにしている。

・周遊コースや発着時間は、利用者のことを考えると、あまり変更しないほうがよい。

・コスト削減のために、船内のサービス要員の多くをアルバイト対応としている例もある。

・営業については、海外にも窓口を設けるなど、広範な展開を行っている。

・予約による団体利用は一定数の利用が確保できるため、各社とも営業に力を入れている。

・需要が特定の日、時間帯に集中する傾向があるため、平日の利用率を高めることが必要となる。

・特に、予約の団体客を利用が多い便に設定してしまうと、一般客が乗れないことにもなり、その辺りのバランスを勘案する必要がある。

・アクセス船はダイヤと定時運航がセールスポイントであり、それを犠牲にしてまで新規航路を設けることは困難。

 

3] 今後の事業展開について

・各社とも、基本的には現状の運航形態でやっていく方針。現状の運航形態が利用者に認知されているため、ダイヤや運航時間、コース等の変更には注意が必要となる。

・USJについては、各社とも検討の対象としている。ただし、USJ側の桟橋の問題や需要見込み、運航形態などの点で、課題が多いというのが各社に共通する認識である。

 

 

 

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