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2. コンテナ貨物の取扱いにおけるわが国の港湾の位置づけ

外貿コンテナ取扱い港湾に求められる要件はひとことで言えば「グローバルスタンダード(国際的標準)」の充足であろう。コンテナバースの水深などのハード面及びコンテナヤードの荷役時間などのソフト面の両面でグローバルスタンダードを充足することが港湾の基本的要件であり、これなくしては他国の港湾に対する競争力を失うことになろう。

近年、わが国港湾のコンテナ貨物取扱量は、東アジアの有力港湾に比べて伸びが小さく、競争力の低下が懸念されている。図2-2.は、わが国の港湾(横浜港、大阪港)とアジアの港湾のコンテナ取扱量の推移であるが、わが国港湾の伸び率とアジアの港湾の伸び率との間には非常に大きな差がある。

 

図2-2. わが国の港湾とアジアの港湾のコンテナ取扱量の推移比較

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出典:海外諸港については、CONTAINERIZATION INTERNATIONAL

(98年については速報値)

国内各港については、港湾管理者資料

 

昭和60年(1985年)でのコンテナ取扱量の港湾の世界ランキングを見ると、神戸港は5位、横浜港は9位であるが、平成10年(1998年)では神戸港は20位、横浜港は18位となっており、取扱量は増えてはいるものの伸び率が小さいためランキングは大きく後退している。

わが国の港湾の国際競争力低下は大水深コンテナバースの不足、24時間・365日体制の未導入、港湾情報化の遅れ、港湾利用費用など、さまざまな要因が考えられる。わが国の港湾はハード面では、表2-2.の大水深バースの供用状況に見るとおり、アジアの港湾との間の格差はないが、港湾利用費用の点ではかなりの差が見られる(図2-3.)。

 

 

 

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