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図4 四国沖南海トラフの地質断面図と掘削地点(R/V Ewingの探査にもとづく:倉本ら、2000より)

 

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図5 白鳳丸船上のイザナギサイドスキャンソナー

 

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図6 四国沖南海トラフの音響画像。図の幅は約50km。図の上が北を指す。

 

逆に言えば日本列島の方がブルドーザーのように押して来る。地震波探査記録は南海トラフの堆積物が圧縮されて変形する様子を示している。以上は地質断面の様子であるが、海底の表面はどのようになっているのだろうか。陸上では航空写真や人工衛星写真で地表を広く見ることができる。しかし海中では電磁波は減退が激しいので替りに音を使う。図5は筆者グループが中心となって運用しているIZANAGIというサイドスキャンソナーシステムである。船からソナーの曳航体を引っ張り、海面下100mぐらいの水中を曳航し、海底に向かって片側それぞれ11キロヘルツ、12キロヘルツの扇形の波を発射すると、海底から後方散乱波が帰ってくる。海底がごつごつしていたりあるいは傾斜が変化すると散乱係数が変化する。したがって後方散乱波の強さを連続的に記録すると、海底の広い面、例えばこのIZANAGIというシステムでは海底の10km幅の音響特性を一挙に調べることができる。

図6は南海トラフのIZANAGIイメージである。誰が見てもすぐ分る著しい特徴は北東から南西方向に走る幾条もの筋である。これらの筋は間隔が500mぐらいで、先ほどの地震波探査断面で見えた断層の崖に対応していることが解る。

 

 

 

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