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この研修コースは平成5年に国別特設「運輸交通」研修で技術研修員を受入れ、平成10年からはコーカサス地域を加え、国別特設として「鉄道コース」と「道路コース」の2コースで実施されてきた。

今回、省庁再編で国土交通省となったことに合せて、鉄道と道路に物流を加え、国別特設「中央アジア運輸交通行政」研修となった。

しかし、平成12年度は研修プログラムを鉄道と道路に分けざるを得ず、グループも鉄道グループと道路グループの二つに分けた。運輸行政と物流部門研修は両グループ合同で行った。

研修員は運輸事業の民営化と付帯事業に強い関心をよせていた。民営化については社会主義経済から市場経済への移行ということもあり、政府の関与のあり方、大株主の権限、一般人の株の保有状況、株主総会等々多くの討論があった。付帯事業については、本来の運輸事業との関係における収益の割合い等について討論があった。

物流に関する講義の後、東京貨物ターミナルと京浜トラックターミナルを見学し、現場の具体的な説明で理解を深めた。運輸事業の経営上の大事な問題として運賃及び料金があげられる。国からの補助や政策的に低い運賃と料金レベルに保たれている自国の環境に照らして将来の民営化と経営上の問題として理解を深めた。広島高速交通(株)の第三セクターによる設立企画、地下鉄ではなくLRTになった利用客20万人/日(現在8万人/日)以下の需要予測、20年にわたる長期の資金計画、利用者増を図るための宅地開発、学校誘致等諸々の説明に研修員はかなりの関心を示した。

鉄道グループは九州新幹線建設工事現場でトンネル工事を見学した。橋梁工事が河川利用(漁労)の周辺住民への配慮から建設省河川局が冬場(10月から3月末)にしか認めないことに多くの疑問を持った。

道路グループは道路建設の構造的理論を学び、関東整備局管下の建設現場を視察した。また、東京湾アクアラインを訪問し、海底下76メートルのトンネルを抜けて東京湾内に浮かぶ海ほたるPAを見学した。

 

「中央アジア運輸交通行政」研修者リスト

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