「バンコク地下鉄建設計画(V)」
(供与限度額:458億1,800万円)
バンコク市内に地下鉄を建設することにより、深刻な状況にある交通渋滞の解消等を図る事業の第5期分。渋滞の深刻なバンコクで乗用車・バス等の道路モードに依存した交通は深刻な大気汚染を起こしており、電気を利用した地下鉄への交通モードの変換は大気汚染改善に寄与するものである。
円借款供与対象案件は次のとおりである。
(1) 金利:年2.2%
(ただし、「第2バンコク国際空港建設事業(IV)」のコンサルタント部分については環境配慮が必要とされる案件として年0.75%を適用)
(2) 償還期間:25年(7年の据置期間を含む)
ただし、年0.75%の特別金利適用部分については40年(10年の据置期間を含む)
(3) 調達条件:一般アンタイド
今回の書簡の交換により、1967年度以降タイに供与された円借款の総額は、一兆9,128億7,300万円(交換公文ベース)となる。
3. 中国に対する特別円借款供与について
我が国政府は、中華人民共和国政府に対し、総額172億200万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が10月10日(火)行われた。この円借款は、平成10年12月に発表された「アジア諸国などの経済構造改革支援のための特別円借款」により供与されるものである。
今次円借款の特徴
(1) 中国に対する初めての特別円借款
本件供与は中国に対する初めての特別円借款であり、ベトナム、マレーシア、フィリピンに続くもの。
(2) 我が国の企業の調達見込み
今次円借款の対象案件では、借款額の5割以上の機材が我が国企業より調達されていることが見込まれており、日本企業が本事業に対して参画する割合は極めて高い。
(イ) 西安咸陽空港:旅客ターミナル・ビル内機材、旅客荷物の運搬システムおよび関連資機材等
(ロ) 北京都市鉄道:鉄道車輌設備、自動料金徴収設備等
今般の円借款の供与対象案件のうち運輸関連案件の概要は次のとおりである。
「西安咸陽空港拡張事業」
(供与限度額:30億9,100万円)
中国の主要空港の一つであり、西部大開発計画において航空運輸の中心的役割を果たすことが見込まれる西安咸陽空港において、今後の旅客・貨物取扱量の急増に対応するべく既存の旅客ターミナルビルの拡張および周辺施設(駐機場等)の整備を行うもの。
「北京都市鉄道建設事業」
(供与限度額:141億1,100万円)
北京中心部の交通渋滞を緩和するため、北京市西直門から北京市北部の郊外を通過し東直門に至る約40kmの都市鉄道(路面・高架・地下形式が混在する電車)を建設するもの。交通渋滞の緩和と共に排気ガス削減効果が見込まれている。
円借款の供与条件は次のとおりである。
(1) 金利:年0.95%
(2) 償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(3) 調達条件:日本タイド
なお、これまでに中国に供与した円借款の総額は2兆4,707億1,200万円(交換公文べース)となる。