<トピックス>
1. フィリピンに対する特別円借款の供与について
〜フィリピン経済の再活性化支援のために〜
我が国政府は、フィリピン共和国政府に対し、総額347億2,300万円までの特別円借款を供与することとし、このための書簡の交換が、8月25日(金)行われた。
なお、本円借款は、本年3月31日に、在フィリピン日本国大使館よりフィリピン政府に対して事前通報したものである。
今般の円借款の供与対象案件のうち運輸関連案件の概要は次のとおりである。
「イロイロ空港開発計画」
(供与限度額:147億2,400万円)
フィリピン国内で乗降旅客数第4位の幹線空港であるパナイ島南部のイロイロ空港において、増大する需要に対応すべく、新空港の建設、航空安全施設の更新を通じ、航空輸送の利便性、安全性の向上を図ろうとするもの。
「スービック港湾開発計画」
(供与限度額:164億5,000万円)
米海軍撤退後、基地跡地に創設された「スービック湾自由貿易港・特別経済地区」において、コンテナターミナルの建設、荷役機器および航行援助施設の調達、既存港湾施設の整備を行うことにより、地理的優位性を有する同港湾の運営効率化、大型船舶利用・陸上輸送時間の短縮による輸送コストの削減を図ろうとするもの。
円借款の供与条件は次のとおりである。
(1) 金利:年0.95%(但し、コンサルタント部分については特別環境案件と同じ金利(年0.75%)を適用)
(2) 償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(3) 調達条件:日本タイド(但し、コンサルタント部分については二国間タイド)
今回の書簡の交換により、フィリピンに対して供与された円借款の総額は1兆9,824億9,200万円(交換公文ベース)となる。
2. タイに対する第25次円借款の供与について
〜タイの自立的な発展・持続可能な成長を支援〜
我が国政府は、タイ王国政府に対し、同国の経済社会開発努力を支援するため第25次(2000年度、5案件)分として、956億7,100万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が9月19日(火)行われた。
今次借款において取り上げた事業は、本年3月に策定されたタイ国別援助計画の経済協力重点分野に位置づけられるものである。
空港建設、上水道整備といった経済・社会インフラ整備と共に、広域的な連携を促進する大メコン圏東西回廊・南北回廊に貢献する地方道路案件や、大気汚染対策にもつながる地下鉄建設、さらに、タイにおける国家計量標準を整備する事業を取り上げており、タイ経済の持続的な成長を可能にするための支援である。
今般の円借款の供与対象案件のうち運輸関連案件の概要は次のとおりである。
「第2バンコク国際空港建設事業(IV)」
(供与限度額:185億600万円)
タイのこれまでの経済発展を反映した今後の航空需要の増加に対応するため、バンコク東方30kmのノングーハオ地区に新空港を建設する事業の第4期分。本事業はタイ政府国家経済開発計画の中で最優先プロジェクトとして位置付けられている。