4.3 アジア地域のその他の国の船員教育機関の現状
バンコクのESCAPを訪問、アジア地区の船員教育機関の現状及び船員の資質等について調査した。ESCAPは16カ国からカントリーレポートの提出を受け、現在解析中である。途中段階での船員教育の現状は船社の需要を満たしているが、教育機関のレベルは必ずしも高いとは言えない。船員の評判はミャンマーがよい。スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ベトナムの船員はそれほど問題はないが、雇用は少ないとのことであった。代表的な船員教育施設について次に示す。
(1) タイ国
タイ国には船員教育機関が5施設ある。この中の一つMerchant Marine Training Center (MMTC)は唯一の国営の訓練センターである。
MMTCは、職員・部員の両方の教育・訓練を行っている。1993年3月からは日本からのプロジェクト方式技術協力が開始され、5年の間技術移転がなされた。教育訓練コースは、STCW条約に適合した船舶職員のためのコースが4コース、船舶部員のためのコースが1コース実施されているが、残念ながらその詳細は不明。使用されている主な教育・訓練機材は以下のとおりである。
*甲板部機材
i) 消火訓練機材
ii) 応急手当訓練機材
iii) 荷役装置模型等
iv) 荷油荷役操作システム模型
v) ジャイロコンパス
vi) 船体構造モデル
vii) カッターボート
*海上通信機材
i) GMDSS実機機材
ii) GMDSSシミュレーター
*機関部機材
i) ボイラー切断模型
ii) 分電盤
iii) 旋盤、ドリル等実習用機材