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・自動車関連公害の削減をめざしたキャンペーン

BMTAのバス車庫において展示・無料車両検査・エンジン調整サービスを提供し、車両の排気ガス・騒音・車体完全度をその場で検査する。同時に「主要40道路でのゼロ煤煙汚染」キャンペーンを行っている。さらに、駐車場でのアイドリングを禁止する保健法の強化策もある。駐車場でアイドリングを続けた運転者は、1997年12月15日以降、2000バーツ以下の罰金を科せられる。駐車場管理者も客待ちの間に運転手がアイドリングを続けることを許した場合、同様に罰せられることがある。これらの策は排気ガスによる大気汚染を削減することをめざしている。

 

8. 道路網の構造の改善

少なくとも1,400kmにおよぶ道路の新設や改良がBMA、ハイウェイ部(DOH)、公共工事部(PWD)により計画されている。また、これ以外にも高速道・高速交通局(ETA)、DOH、PWD、SRT、BMAにより400〜500kmの道路改良600km近くの高速道・自動車道の建設が予定されている。これにはチャオプラヤ川を横切る橋の新設も含まれている。

 

9. 事故対策

このプロジェクトでは、運転者の教育・試験・免許手続きの改善、初心者ドライバーに対する仮免許システム、高齢者ドライバーに対する定期的な健康診断と視力検査、酒や麻薬を帯びた運転に対する罰則強化が行われる。また、各交通機関の結節点の改善や、桟橋の安全対策、桟橋の改修も含まれる。

 

10. 大量輸送促進のための法律強化

現在のタイの交通安全に関する法律は、速度制限・ヘルメット着用・シートベルト着用・飲酒運転・免許システムなど、数々の海外で実施されている交通安全の法律を導入している。近い将来、交通システムの計画・運用・発展の根本的な手続きを規定した公共交通法が成立する見込みである。この法律は効率的な大量交通システムの発展に関係するすべての機関の調整に役立つと期待される。

 

11. 非公式の公共交通

違法なオートバイタクシーや乗用バンが目立つため、これらに対する政府の態度が甘いように思われる。交通事故保険も運転者の適性検査もなく、乗客は大きな危険にさらされている。そこでDLTは積極策を採って、現在運行中の違法営業者を法制化して免許制にすることにより、これらの車両を規制する枠組みを作ろうとしている。

さらに、パラトランジットの路線を本線・支線に分割するBMTAの計画もある。これにより非合法なサービスに新しい機会を与え、全線を合法的に確実・快適に移動できるようになると期待される。

 

 

 

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