5. Mexico メキシコ(メキシコシティー)
Mr. Agustin German Patino Acencio アグスチン ヘルマン パティニョ アセンシオ氏
カントリーレポート
メキシコ シティーにおける公共交通の現状と問題点
メキシコ シティーはメキシコ共和国の中央、2つの山脈の間に位置する。標高は2,240m、気候は半乾燥で温暖である。メキシコシティー都市圏の人口は1900万人で、これにはシティー周辺の都市部の人口も含まれている。
経済的にはメキシコ シティーは国内総生産の24.1%を担っている。316の企業が域内にある(メキシコの企業の80%)。市内では一日あたりのべ3000万回の移動があり、主に職場への通勤である。その他の移動の目的は、通学、買い物、その他の必要である。
ここでメキシコ シティーとその周辺の交通事情をもう少し詳しく説明しておこう。メキシコ シティーの交通網は、ペリフェリコやヴィアデゥクトのような出入制限のある道路が構成している。前者は都市周辺をめぐる環状道路、後者は東西に走る道路である。これらがメキシコ シティーの幹線道路である。
一方、街を方形に区切る道路も多数存在する。たとえばヴィアル アクセスや、レフォルマ通り・インスルヘンテス通り・北ディビジョン通りなどの重要な通りである。これらはすべてメキシコ シティーの主要道である。
市内の交通システムとしては他にも79,288台の「個人」タクシーや、9,941台の車両基地を持つタクシー、さらに最も人気がある「マイクロバス」と呼ばれる乗り合いタクシーもある。このマイクロバスは定員が25人、車長は通常のバスのおよそ半分である。現在27,411台が登録されているが、未登録のマイクロバスも運行されている。
市内のバスは経営の失敗からシェアを失い、破産した。このためバス路線の一部には共同で管理されているものもある。
トロリーは地方自治体が運営しており、社名は電気交通システム(スペイン語でSTE)という。これも他の電気による交通機関と同様、路面電車である。トロリーは17路線で410車両が運行されている。路面電車の唯一1路線だけが、シティー南部のタスケニャからソチミルコまでを結んでいる。
メキシコ シティーの交通のバックボーンとなるのが、地下鉄である。総延長178km、154駅を擁するこの地下鉄は、集合交通システム(スペイン語でSTC)が運営している。毎日約400万人の乗客を運び、地下鉄では世界第3位と言われる。