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これら事業の具体化としては、以下のような考え方によるのが妥当である。

 

1] 各国の機能分担

各国の既存の訓練施設を利用して、航空行政(政策立案、会計制度等)部門、ATS(航空管制・通信)の運用部門、ATS施設の維持技術部門、空港の運営(空港サービス、保安、消防等)部門、運航部門(運航基準・技術、航空機操縦または航空機整備等)に機能的に分けて効率的な施設改善及び実施体制の整備を行う。また、専門分野を特化させるも、広域的なプロジェクト方式技術協力による訓練体制の整備などが考えられる。

 

2] 地域としてのまとまり

本調査各国としては、インドシナ諸国であるベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーをひとまとまりとして、タイの管制業務実施能力に均一化させる、または運用システムとして一体化させることを目的に人材育成の支援を図ることが考えられる。

なお、地域としてまとまるのは援助事業として困難な点も多く、各国のニーズの集約、共通性の観点から専門性の高い研修に特化するのが妥当である。従って、個々の案件形成としては、地域をまとめた案件が全てのニーズを賄うことにはならず、国情に合わせた基礎訓練施設及び機能の整備など、各国べ一スの案件形成を進めることも重要である。

 

3] 既存施設の補完

本来、ICAOは、マニラCATC(フィリピン)を上級航空管理者、シンガポールSAA(シンガポール)を航空管制官、バンコクCATC(タイ)を航空保安施設維持技術者及びチュルクCAA(インドネシア)を航空機操縦者または整備技術者養成の中心となるよう、各国に機能分担させて地域的な訓練施設の整備を図ったが、現在の施設の状況及び訓練機能にいくらかの変化がある。これらの施設に対して、自国の要員養成の需要を考慮しつつ、他の途上国からの訓練生を受け入れるため、機能の拡充を図る施設整備または機材供与(資金協力)、若しくは、これらの施設を利用した研修プログラムの実施、研修体制指導のための技術協力、研修資金援助などの援助策が考えられる。

 

 

 

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