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4.4 ラオス国

4.4.1 民間航空訓練施設の種類

ヴィエンチャン国際空港近くに、官営の民間航空訓練センター(Civil Aviation Training Center:CATC)があり、航空保安職員の養成及び再訓練を行っている。

 

4.4.2 教育・訓練体制

(1) 組織・運営体制

組織上は、運輸省航空局(DCA)の下部機関にあたり、校長、管理部門、教育部門がある。現在の職員数は、教官を含めて7名いる。専任の教官はおらず、講義に合わせ専門部門から内部講師が来る。基本的には、航空局採用後の新人訓練及び既職員に対する再訓練を実施するところであり、受講料等は徴収されない。従って、運営体制としてはDCAに維持管理されており、運営費はDCAに予算管理される。なお、ラオス航空の職員のための基礎訓練も実施しており、座学を中心として同様に無料である。

 

(2) 教育体系

航空局(DCA)採用後,CATCで各専門部門別に3ヶ月から1年間の新人研修が実施される。主に座学を中心に理論について教育される。航空保安職員として必要な理論及び基礎技能の習得を目的とした専門教育機関である。新人職員には、業務全般にわたりコース別に初級レベルの訓練を実施する。再訓練プログラムについては、航空交通量の少ない地方空港の職員用であり、特定の専門分野に対しての知識、技能のリフレッシュ訓練が実施される。

各コースとも一定のレベルに達することが修了時の条件であり、試験を行って判断される。修了後は、各航空官署において、実業務によるOJT(On-the-Job Training)が実施され、試験を行って、実業務のレベルに達した者にレーティング(資格)が与えられる。

理論及び技術指導は、ICAOの付属書に準拠したテキストを使用しており、また、資格試験制度についてもICAO標準に基づいている。

 

4.4.3 教育訓練の内容

(1) コース・プログラム

研修内容は、理論(座学)が中心であり、簡単な実技(実習)も実施される。航空管制業務、航空管制通信業務、航空管制技術業務及び空港保安消防業務に関して、研修プログラムが用意されているものの、現在は、各専門分野の要員体制、航空局職員の採用状況により、専門分野の新人訓練コースが運営資金不足から休止中であり、語学訓練コースが開講されているだけである。(2000年10月現在)

本来は、次の4つのコースが用意されている。

 

航空管制コース

基礎理論、飛行場管制、進入管制(ノンレーダー)、航空路管制(ノンレーダー)等に関して、広く基礎能力の向上に資する訓練を実施する。期間は全体で1年間程度である。

 

 

 

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