この結果、従来方式のIGSスクラバーにおいてもSOx除去効率とデミスターの水滴捕集効率は問題無い良い性能である。しかし、ばいじん除去効率に関してはデータにバラツキがあるが平均で10%、最大で17%である。これは図3.2.4で予測した12%に極めて近い値である。以上のことからIGSスクラバーの実態のばいじん除去効率としても図3.2.4予測値にほぼ近い値と判断できる。この程度の除去効率が摩耗上、どの程度の効果を示すかが問題である。
(2) 改善型スクラバー(ジェットスクラバー)の単体試験結果
この改善型スクラバーの単体試験に際しては洗浄水として海水を使用し且つ、スクラバーエレメントの必要性の有無を確認する試験を実施した。その結果を表3.2.6に示す。
改善型スクラバーの場合もSOx除去効率と水滴捕集効率は全く問題無いことが明白である。特に今回はスクラバー出口で排ガス中の塩分濃度を計測した結果、洗浄水に海水を使っても、ガス中には1ppm以下という値であることがわかった。一般に海上では2〜3ppmの塩分が空気中に含まれているのでスクラバーをEGRラインに設置しても、何らの問題も無いことが証明された。