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3.2.4 スクラバーばいじん除去性能改善法検討

目標とするばいじん除去効率を確保するには折れ板方式の充填塔スクラバーの慣性衝突では十分でない。そこで洗浄水を高圧高速で排ガス中に噴射させて水滴と微細なばいじん粒子を衝突させて肥大化させ除去するジェットスクラバーの有効性を試算検討した。その結果を図3.2.5に示す。

 

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図3.2.5 ジェットスクラバー部の予測性能

 

噴射する水滴径が500μm以下に出来れば目標とするばいじん除去効率50%以上が達成可能である見通しが得られた。

そこで図3.2.3の一次ノズルを高圧化且つ、複数の噴射ノズルを装着できる構造にしたジェットスクラバー主体の改善型スクラバーを試作した。

なお、選定したノズルは噴射圧力が0.7MPaで水滴径の実測値が

算術平均径:153μm

面積平均径:194μm

体積平均径:241μm

ザウター平均径:372μm

のものを使用した。

 

3.2.5 EGR評価試験法

本研究ではEGRに対するスクラバーの効果を評価するため、スクラバー単体による浄化効率試験及び実験機関連続運転によるリング・ライナ摩耗試験を行った。特に実験機関連続運転でのリング・ライナー摩耗を計測評価するに当たっては、馴染みを加速させるため鋳鉄ライナーはホーニング仕上げ、ピストンリングは馴染みを模擬したバレル形状のメッキ無しリングを使用した。この組み合わせの場合は僅か1時間程度の摺り合わせで比較可能という実績があり、相対比較を行った。また、運転時間としては21時間とし、実施した連続運転のパターンを図3.2.6に示す。また、スクラバー単体試験では実験機関を定格で運転し、その排ガスをスクラバーに導入した。この時の浄化性能を評価する計測は表3.2.4に示す方法で実施した。

 

 

 

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