日本財団 図書館


009-1.gif

図3.2 EGR時のスクラバーの効果

 

3.2 成果の活用

NOx規制が強化されるとEGRの実船適用が現実となる。その場合、使用するスクラバーとして次のように使い分ける。

(1) IGSスクラバー兼用の場合

現行IGSスクラバーのガス処理能力はEGR率15〜16%の容量と同一であるため、NOx発生量≧13g/kwhのまでの規制に使用する。但しエレメント間隔は9mmに変更する。

(2) 改善型スクラバー使用の場合

専用スクラバーでは50〜60%のNOx低減可能なEGR率25〜30%のガス処理能力を持つものを基準とする。このためNOx発生量≧8〜10g/kwhのまでの規制に対応が必要な時に製作し使用する。またはタンカー以外でNOx対応が必要な場合に使用する。

 

なお、本研究で開発した海水スクラバーは洗浄水である海水を直接排水しながら使用するので燃料性状の変化や機関構成部品の経年劣化により或いは水質規制強化によっては直接排水が困難となる可能性が予測される。このため、今後燃焼状態の監視に加えスクラバーの排水処理を含めた管理システムを確立し将来の規制に対応していく必要がある。

 

(参考文献)

* 1:EGR時のリング摩耗とピストン摩擦力特性に関する研究

(自技会学術講演会前刷集996)

ディーゼルエンジンにおけるEGRとその問題点について

(トライボロジー先端講座 41st,1996)

すすの動弁系摩耗機構に対する考察

(石油学会誌Vol.40,No.6,1997)

ディーゼルスーツがエンジン油の性能に与える影響

(トライボロジスト Vol.42,No.6,1997)

* 2:Abrasive concentration effects on wear under reciprocating conditions.

(Wear,140(1990))

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION