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表4.2.2 コーミングがある場合の開口部の流出係数

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船体動揺時における人体移動係数の影響については、単独歩行者の歩行速度のみ実験を行った。動揺時における単独歩行者の歩行速度を表4.2.3に示す。通路においては、動揺がある場合には歩行速度は2割減少する。階段においては、のぼりは影響なく、くだりにおいて1割減少する。

 

表4.2.3 動揺時における単独歩行者の歩行速度

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4.3 群体モデルによる船体傾斜時の影響に関する避難解析

参考として、経路傾斜時の補正係数を使用し、モデルシップにおける3FG1グループシミュレーションを行った結果を図4.3.1に示す。シミュレーションにおいては、右舷に20度傾斜したと想定した。

船体水平時の避難時間148秒に対し、船体20度傾斜のシミュレーションでは、183秒と24%増加した。船体水平時の3FG1グループの避難においては、滞留は階段に入る手前で滞留しており、その後に滞留はなくそのまま避難集合場所に到達する。船体傾斜時における避難シミュレーションにおいては、部屋内における滞留、通路における滞留共に大きく長くなる傾向が明確であり、避難場所に最初に到達する時間も伸びていることがわかる。しかしながら、滞留のネックは水平時と同じく最初の階段部分であり、その後の経路での滞留はなく避難集合場所に到達する。そのため、図4.3.1においてほぼ直線となっている避難場所集合者数の傾きは、水平時と傾斜時の階段流動係数がそのまま反映されている。

船体傾斜時においては、通路の滞留も避難完了時間も大きくなるが滞留のネックとなる部分は同じである。滞留のネックとなる部分が避難に大きな影響を与えることが明確であり船体傾斜時における滞留の度合いを解析することは重要である。

 

 

 

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