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表4.1.2 船体傾斜時の流動係数と傾斜補正係数

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4.2 船舶避難経路におけるその他の係数

船舶の避難経路において、考慮すべき条件の中に、避難群集に対向して移動する乗員の影響、甲板に出る開口部におけるコーミングの存在、船体動揺の影響などがある。

通路の歩行実験において、群衆先頭者が中央に来た時点で対向者1名が反対方向から歩行開始をする実験を行った。ただし、通路長さが限られているために、対抗者が通路を通過した後に通路に入って来て、対向者とすれ違わないまま歩行を終える歩行者も存在する。そのため歩行速度については、対向者とすれ違う部分を含む歩行速度(1m間)を測定し、流動係数については、対向者が模擬通路を歩行中に通路中央部を通過した人数について測定した。対向者が存在する場合の歩行速度と流動係数を表4.2.1に示す。対向者とすれ違うときのみ歩行速度が減少するものの、群集としての歩行速度は変化せず、通路幅が0.9m以上であれば流動係数にも影響がない。

 

表4.2.1 対向者が存在する場合の歩行速度と流動係数

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通路中央に開口部を設け、23cm高さのコーミングの有無による流動係数の比較を行った実験結果を表4.2.2に示す。コーミングがある場合には、通路幅(1.2m及び0.9m)及びドア開口幅(0.9m及び0.6m)にかかわらず流動係数は2割減少する。

 

 

 

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