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(3) 5階

この階のグループは避難者人数が少なく、5F-G5を除いてネック部分での滞留が生じていないのが特徴である。滞在する階での水平移動距離が長く(;最長で116m)また階段を2層降下する5F-G1, G2はそれぞれ避難完了時間が181秒、166秒と最も長いグループとなっている。5F-G5 (;乗員が避難者)は4階に階段で降下した後に4F-G2の滞留者(;ネック扉N扉7'で滞留)の最後尾に到着するので30秒強の最大滞留時間を要しているが、操舵に関わる乗員であるので、現実には生じることはない滞留の場面である。

 

表3.2.1 避難時間等の計算結果;避難者グループ毎の人数・避難完了時間・最大滞留時間

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3.3 群体モデル

3.3.1 群体モデルの概要

群体モデルシミュレーションは、人の移動を流体とみなして解析する方法であり、決められた避難経路を船員の誘導に従い移動する避難群集の解析にはシンプルかつ詳細な解析が可能である。避難群衆の取り扱いは、3.1章の建築防災計画指針(以下防災指針という)における前提と同じである。

避難経路における室出口、通路合流点、通路幅の変化する開口部、階段等の区切り部分はノードとして表現され、人の滞留を確認するポイントとなる。ただし、1回の計算による人の移動距離は、ガイドライン等のようにノード間ではなく、計算時間Δtに歩行速度を乗じた距離となる。このため、滞留は階段入口等の代表ノードのみならず部屋の出口などすべてのノードで避難時間中の滞留者数が確認できる。

 

3.3.2 モデルシップの解析

モデルシップの解析は、防災指針による解析との比較を前提とし、計算パラメーターおよび通路距離等を詳細に一致させて解析を行った。

 

 

 

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