日本財団 図書館


これらを別の切り口で見ると、ニアミスの原因は、運航者と自船から成る自船内部に46%、自船外部の交通環境に54%有り、自船内部と外部にほぼ半々であることが判る。これは、自船側の改善で減ずることのできるニアミスが半分で、残りの半分は自船の改善のみでは減ずることができないことを示している。しかし、相手船側でも自船と同様の対策が採られれば、これにより外部要因によるニアミスも減ずることが可能である。

 

表2 ニアミスの原因

024-1.gif

 

表3 要員配置と役割分担

024-2.gif

 

3.2 ヒアリング調査

船橋内での当直作業は、交通環境、地形環境、自然環境等の周囲の状況に応じて要員の配置及び各要員の役割分担が変わる。状況に応じた当直体制の水準をWatch Levelと定義し、Watch Level毎の要員配置、役割分担を表3のとおり定義した。

ヒアリングは、外航船の船長、航海士を対象として実施し、表4に示すとおり39件の事例について調査した。

本調査では、共同作業者間の連携が重要となるWatch Leve 12及び3におけるニアミス事例を対象として各要員(船長、当直航海士、増員航海士、操舵手、見張員)ごとの機能モデルを作成し、ヒアリングからニアミスの原因と推定される箇所を特定した。

 

表4 ヒアリングの4例

024-3.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION