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新年のご挨拶

 

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社団法人 日本造船研究協会

会長 星野二郎

 

平成13年の年頭に当たり、謹んで新年のお祝いを申し上げます。旧年中は、運輸省、日本財団をはじめ関係各位から多大のご指導、ご支援を賜り誠に有難うございました。

昨年11月末に「我が国が世界最先端のIT国家となること」を目標として高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)が成立しました。一方、日本の造船関連業を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、各企業とも抜本的経営改革によってその競争力の強化を図っております。成熟した重厚長大産業といわれる造船関連工業でも先端技術の採用に務めてまいりましたが、新世紀においても我が国の基幹産業として生き抜いてゆくためには、開発、設計、生産等の各分野へのIT革命の取り込みが是非とも必要であると思います。政府の方針を追い風にして業務のIT化の徹底が望まれます。

急激な変化というものは何事においても混乱を引き起こす恐れがあります。また、インターネットにおけるハッカーやコンピューターウィルスに見られるように、電子情報システムは容易に外部からの攻撃を被る可能性があります。ITを関連業務に安全にそして効率的に採用するためには、ITの機能を十分に理解しておく必要があるといえるでしょう。

造船関連技術においても新しい進展を見ることができます。例えばスケールメリットを目的としたコンテナ船の大型化が進んでおります。今まで推進性能と運航コストの面から限界とされていた12,000TEU以上の船型への挑戦も始まっております。当協会でも次年度から、総合的に効率のよいコンテナ輸送システム構築のための研究開発を行う予定にしております。また、天然ガスを含水化合物化して運搬するガスハイドレート船、船舶運航支援のための海のITS(高度海上交通システム)等の開発研究も計画されております。既に基礎研究が終了したTSLやメガフロートの実用化への試みも期待されます。

高度に専門化した現在においては、造船関連の技術革新への挑戦は、単独の技術分野あるいは単独の機関では推進することが困難であり、我が国の造船・関連工業・海運そして官学の研究資源を糾合して対応する体制が必要となります。

日本造船研究協会は、船舶関連分野において、技術の新しい芽の育成、技術的問題の打開等に共同研究によって今後とも貢献して行きたいと考えております。どうぞ本年も、国土交通省、日本財団をはじめ関係各位には当協会の事業に深いご理解を頂き、いっそうのご指導、ご支援をお願い申し上げます。

 

 

 

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