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図1 現行規則と新規則案による到遷区画指数Aの比較

(新規則衆におけるvを現行規則のvに置き換えた場合)

 

本部会では、このような船舶の防火に関する国際規則の改正及びガイドライン整備の動きに対応して調査研究を行った。なかでも新規則案最終審議の年を迎えたSOLASII-2章総合見直しについては、未解決事項について審議を重ね、FPに設置されたコレスポンデンスグループ(CG)及びFP44提出用の諸文書を作成するとともに、新防火規則構築等に関する下記の試験研究を実施した。

(a) 新II-2章規則案、同規則関連の作成等に関する検討

1) 新防火規則の構築

2) 可燃材料・消火設備及び防火仕切りの性能基準

3) 防煙仕切りの性能基準

4) 火災試験方法コードの導入に関する検討

5) 防火構造・材料の火災安全評価方法の調査

6) HSCコードの見直し

(b) 新II-2章規則案の試適用

この結果、現行のSOLASII-2章の再構成に加え、機能要件の明示、代替設計・措置承認に関する規則の新設などにより、よりユーザーフレンドリーであり、新技術による設備等の導入にも対応可能な防火規則として作成された新SOLASII-2章案は、FP44において審議の結果、合意された。この新SOLASII-2章案及び火災安全設備コード案(FP最終案)は、2000年5月開催のMSC72にて検討されたうえ、6ケ月の回章期間を経て、2000年12月開催予定のMSC73にて採択され、2002年7月1日に発効する予定である。これにより、数年間に渡って我が国主導の下で進められ、本部会としても最重要事項として注力してきたSOLASII-2章総合見直しの作業は所期の目標を達成して終了した。今後は、この発効に備えて、国内における船舶新防火規則の整備の作業が必要となろう。

また、新規則を円滑、かつ、効果的に実施するためには、同規則の下で使用される避難解析の基準、煙制御装置の基準、代替設計・措置の承認のガイドライン、機関区域局所消火装置の承認のガイドラインの実施要領等の整備が不可欠である。

 

 

 

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