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図5-1 崩壊強度に対する安全率と断面係数の関係(40-71KDWTタンカー)

 

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図5-2 崩壊強度に対する安全率と断面係数の関係(96-146KDWTタンカー)

 

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図5-3 崩壊強度に対する安全率と断面係数の関係(280-290KDWTタンカー)

 

船型によってバラツキは有るが、一般的にSagging状態で厳しく、崩壊強度が最大曲げモーメントに一致する限界の断面係数は、新造時のほぼ80%内外であることがわかる。特に上甲板側の断面係数が新造時の83%を下回ったとき、Sagging状態における船体縦強度は、最大曲げモーメントに対して100%以下となり、余裕がなくなる。簡易解析の対象とした各サイズのタンカー全数の結果から、最大縦曲げモーメントに対して主船体縦曲げ最終強度が一致する(安全率が1.0となる)ときの断面係数の限界はZreqの約83%である。多少安全側を取って85%を縦強度上の衰耗の限界値とすることが出来る。

断面係数が新造時の85%になるとき、2.3.2に示したように、フランジ面積の衰耗率はほぼ85%のときである。このことから、フランジ面積の衰耗率が85%を強度評価するための条件とする。図3から、衰耗の個船毎のばらつきを考えて、断面係数率を85%より多少余裕を持たせて、強度評価を行う条件として船齢10年以上とすることは適切であろう。逆に10年未満船は問題ない。

現在就航している世界中のタンカーの大多数は、IACSメンバーである船級協会の検査を受けていることから、フランジ面積の減少量が15%に達する前に切替え工事を実施することが多く、この面積減少量15%という値を縦強度評価を開始する判断の値とすれば、縦強度の評価を行う必要のある船舶はかなり限られたものになる。

 

2.3.4 船長と断面係数

図6に、新造時の実際の断面係数Zactとルールが要求している断面係数Zreqとの比を、船長との関係で示す。

 

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図6-1 新造時断面係数と船長との関係(上甲板側)

 

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図6-2 新造時断面係数と船長との関係(船底側)

 

 

 

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