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図6 新しい不確かさ評価の概念

 

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図7 不確かさ解析における数学モデルの分類

 

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図8 不確かさの伝播と段階的推定

 

次に一般的な例として、何らかの上位標準(基準)を使って実際に使用する測定機器の校正を行い、さらにそれを使った実測結果から不確かさを推定する場合には、図8のような構造で不確かさの伝搬をみておく必要がある。すなわち、標準には標準そのものの不確かさがあり、校正する際には標準の不確かさが加味され、実用の計測では校正時の不確かさがさらに加味されて、不確かさは下流になるに従ってピラミッドのように大きくなっていく。

 

6. 最近の国際的動向(おわりに代えて)

計測における不確かさ評価の概念は、計量標準に関わるような厳密な分野での必要性から厳密な検討がなされたにも拘わらず、標準研究や精密計測などの限られた分野での活用に留まっていたが、最近では、トレーサビリティでの活用や種々の技能試験、さらには標準物質の認証、環境試験、臨床検査などの分野にまで進展し、客観的・合理的な手法としての理解と浸透が急速に進んでいる。

国際的な活動を見ただけでも、メートル条約における各国の国家標準の同等性を確認するために基幹国際比較(key comparisons)が長さ、質量など各諮問委員会や地域の計量組織を中心に進められており、法定計量の分野でも二国間の貿易摩擦の解消につながる相互承認協定の重要な役割を担っている。

 

 

 

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