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フィリピンは主要な船員供給国であり、多くのフィリピン船員がサイプラスにあるHanseatic Marine Training School(以下、「HMTS」という。)で教育を受けた。フィリピン人の他、米国人、カナダ人、ドイツ人、英国人、アイルランド人、フィンランド人及び北西欧州人の士官が雇用されている。

また、船員確保のため、エストニアのタリンに訓練施設のある“SURECRUIT Tallinn”を1999年に設立した。さらに、ラトビアのリガには訓練施設のある“SURECRUIT Riga”を設置しているほか、ポーランドでは“Baltic Marine”を通して船員を確保している。

クロアチアのスプリットには、質が向上しつつあるクロアチア船員を確保するため、独自のトレーニングセンターを設立している。

インドでは、ボンベイの“Paramount Shipping & Management PVL Ltd”から船員の供給を受けている。

ミャンマーでは教育訓練センターのある事務所を設立している。

ウクライナ人の士官及び部員は、ウクライナのオデッサにある提携会社から供給を受けている。

これまで1500人以上の船員がHMTSで教育を受け、同数の船員がハンゼアティックの管理する船舶で15年以上業務に従事している。雇用契約終了後も約80%の船員が再契約を行っているが、これはハンゼアティックの人事管理方針のユニークな記録であり、船員の会社に対する忠誠を示すものである。

円滑な航行を確保するため、一船主に対して同クラスの船舶にいつでも乗船できる船員をプールしている。

毎年、主要な船員供給国(北西欧州、クロアチア、エストニア、ラトビア及びフィリピン)において開催する“Senior Fleet Officers Meetings”を通し、上級士官に対して海運産業の最新情報を教育する。このミーティングでは陸上の上級管理者もプレゼンテーションを行い、船舶と事務所の連絡・調整を定期的に図っている。

 

2) 船舶管理

船舶管理は、H社の重要業務である。

Full managementにおいては、3人から4人の監督者(Superintendent)からなるグループが船舶の予算及び技術の管理を行う。一つのグループは一人の上級監督者(Senior Superintendent)の指揮下に入る。

各監督(Superintendent)は最大4隻までの船舶について責任を持つ。監督は、担当船舶を毎年3回訪問し、可能であれば年1回以上担当船舶に乗船し航海する。4回目の訪船は会社の品質監査人と同行する。各監督は、船主に対して、四半期毎に、船舶の状態、性能、予算と実行予算、保険の請求状況及び次の期間の計画について報告書を作成する。

 

 

 

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