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燃料消費率の年代的な推移を知るため、コンテナ船についても他の船種と同じく、航海速度を揃えて式1により燃料消費率を算定した。航海速度は、II. 調査の内容1.3.3で設定したように、船型・船齢カテゴリーに係わらず21kntとした。燃料消費量の経年劣化についても、他の船種と同様に5%/10年と設定した。次に、1日あたりTEUあたりの燃料消費率を求め、建造年代の関係をプロットした(図1.3-2)。これによると、全建造年代を通して十分なデータが揃っている船型区分は2,000〜4,500TEUの区分である。この船型区分で見る限り、1970年代から1990年代にかけて1日あたりTEUあたりの燃料消費率は20〜30%程度減少している。

そこで、データが十分にある1978年以前建造の船舶についてTEUと燃料消費率の関係を求め、これを基本として経年的に燃料消費率が改善される効果を盛り込むことにした。すなわち、図1.3-3に示すように、1978年以前建造船について求めたTEUと燃料消費率の直線関係と上述の2,000〜4,500TEUクラスにおける経年的な燃費改善(5%/10年と仮定)から、各船齢階級におけるTEUと燃料消費率の関係式を求めた(表1.3-2)。ただし、ここで示した経年的燃費改善効果の仮定(年を追うごと直線的に燃費が改善される)では1994年〜1998年建造船舶の燃費が極めて良くなりすぎることから、1989年以降は同一の関係式を用いることとした。表1.3-2に示した関係式と表1.3-3に示したコンテナ船のカテゴリー別平均載荷可能量(TEU)から船型・船齢別の燃料消費率を求めた。

 

表1.3-1 日当たり燃料消費量を算定したコンテナ船のサンプル数

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「-」はその船型の船舶明細書にデータが存在しないことを示す。

 

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図1.3-2 コンテナ船の建造年代にみるTEU当たりの燃料消費率

横軸は建造年代、縦軸は一定航行速度における1日あたりの燃料消費量(t/日/1,000TEU)を示す。

 

 

 

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