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Q 現在の星座(せいざ)はいつつくられたの?

A 現在の星座は今から5000年前(紀元前3000年ごろ)にメソポタミア地方(現在のイラン・イラク)でつくられたと考えられています。どうしてかというと、星座には多くの動物の名前がつけられていますが、インドの象(ぞう)やトラ、エジプトのカバやワニは登場していないからです。そのころつくられた星座は12の星座と考えられています。

当時の人々は、星座が見える方向や位置によって、方位・時刻・季節などを知り、牧畜(ぼくちく)・農業(のうぎょう)・漁業(ぎょぎょう)などに適(てき)した時期を知るのに役立てていました。

その後、これらの星座がギリシャやローマに伝わると、神々や英雄(えいゆう)達が活躍(かつやく)する神話(しんわ)(ギリシャ神話・ローマ神話)と結びつけられました。2世紀になりアレキサンドリアの学者、プトレマイオスの本には、現在使用されている星座のうち48が示されています。

これらの星座に新しいものが加わるのは、15〜16世紀の「大航海(だいこうかい)時代」となります。ヨーロッパの航海者によって南半球の星座が知られるようになりました。夜空に輝く星は、海を船で航海する時の道しるべとしての役割もはたしていたので、星を見て自分の目指す場所に船をはしらせながら星々をつなぎ合わせ、自分なりの星座を作り上げていたのかもしれません。

その後19世紀初頭(しょとう)に60にのぼり、今世紀に入り、望遠鏡(ぼうえんきょう)や写真技術の進歩によって、国際的な標準(ひょうじゅん)となる星座を確定する必要が出てきました。現在ある88の星座は1928年に国際天文連盟(こくさいてんもんれんめい)(現在の国際天文学連合(こくさいてんもんがくれんごう))によって採用(さいよう)されているものです。

 

<参考> 3月から4月にかけてグアム周辺で見ることができる星座

 

しし座(東の空)

015-1.gif

 

オリオン座(西の空)

015-2.gif

 

おおぐま座と北極星(北の空)

015-3.gif

※星座の向きは実際のものと異なります。

 

 

 

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