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このように、現段階では、年産500台の生産は難しいと見られ、当面、状況を見守る必要がある。いずれにしても設備増強は事実である。現代グループの補機需要は年間300台程度であり、これを超過する分については、輸出ドライブがかかる可能性がある。

なお、現地報道によると、現代重工業は2000年8月に独自モデル(1,000〜4,000PS級ディーゼルエンジン)の開発に成功している。

 

表:現代重工業の中型エンジン生産設備概要(抜粋して再掲)

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注:エンジン部品については前掲表参照。

資料:現代重工業ホームページ

 

2] 双竜重工業

双竜重工業3は、歴史的には韓国国内唯一の中型エンジンメーカーであった。当初、双竜重工業は世界の12社のライセンサーと契約を締結したが、効率性を鑑み、次第にMAN B&Wを中心に生産する体制へ移行してきた。生産能力は、年産500台となっている。将来の設備増強計画はない。双竜重工業は、従来、韓国陸軍用MTUエンジンを最大の収益源としてきたが、軍事支出削減や予算執行の遅れによる影響を受けている。

なお、同社で特徴的なのは、中国で独自により鋳物生産を行っている点である。生産能力は、年産4000t(他方、韓国国内は年産6000t)、本社から10名の社員を派遣している。小物の鋳物は中国で、大物は韓国国内で生産している。同社では、中国における舶用製品用鋳物生産は、韓国企業としては初めてのケースであり、将来は加工工程まで現地化したいとしている。

 

3 将来の同社のエンジン事業に対して、日本国内インタビューでは悲観的な見方が多かったが、韓国国内では中型エンジンメーカーとして生き残る道はあるとする楽観的な見方が多かった。

 

 

 

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