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2] 成長性

売上高の伸びは、韓国企業が日本企業を大きく上回っている。その背景としては、従来、韓国企業が量の拡大を追求してきたこと、特に造船業においては、多くの主要企業が90年代半ば以降、設備増強を行ったことが指摘できる。

 

図:売上高成長率の推移

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注:韓国は現代重工業、大宇重工業、三星重工業、漢拏重工業、韓進重工業、現代尾浦造船、大東造船、大鮮造船、コリアタコマ造船工業、新亜の10社、日本は三菱重工業、石川島播磨重工業、日立造船、川崎重工業、三井造船、住友重機械工業、佐世保重工業、名村造船、サノヤス・ヒサシ明昌の9社合計

資料:韓国造船工業協会、日本・運輸省海上技術安全局

 

3] 安全性

安全性については、次に示すいくつかの指標を通して評価することとする。

総資本回転期間は、売上高に対する総資本の比率を示したものであり、値が低いほど資本効率が高いことを示している。

両国の総資本回転期間を比較すると、韓国企業が日本企業を上回り、ほぼ2年間に近い水準に達している。韓国企業の場合、強い拡大志向を背景にして、売上高増加に先行して総資本規模を拡大させており、その結果、投下資本効率の悪化を招いている。思惑どおり売上高が増加しない場合、投下資本効率の改善は難しい。また、韓国企業の総資本回転期間は不安定な動きを示している。これは売上高と総資本の増加のタイミングのずれによるものである。

 

 

 

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