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<島根県の藻場>

 

島根県内の現存藻場の面積は隠岐海区86ha、島根海区159haの計245haであった。

前回調査時(1978年)の面積は隠岐海区91ha、島根海区161haの計252haであったので、隠岐海区5ha、島根海区2haの計7haの減少となった。ただし、調査対象外である面積1ha以下の藻場は、粗密の差はあるが両海区の岩礁地帯に普遍的に分布しており、典型的な磯焼け現象は見られなかった。

藻場のタイプは主としてガラモ場であり、アマモ場は両海区の内湾部に散在した。ガラモ場で量的に多い種類はヤツマタモク、アカモク、ノコギリモク、オオバモク、イソモク、ホンダワラ、アラメ、およびクロメであった。このうちホンダワラおよびアラメは島根海区西部および隠岐海区で、クロメは島根海区東部に多い傾向があり、とくに、アラメは隠岐海区(島後)および島根海区西部で著しく増加した調査区があった。なお、島根海区東部では大型渇藻類が減少し、小型渇藻のアミジグサ類が優占した調査区がみられた。このような調査区では、アワビ類等の植食生物の密度の低下が見られた。また前回調査で量的に多かったワカメは、殆どの調査で減少した。

藻場面積が前回調査時より減少傾向にある調査区は全調査区の42%にあたる54区、変化がない調査区は37%にあたる47区、増加傾向にある調査区は7%にあたる9調査区であり、減少傾向にある調査区は主として島根海区東部、変化がないか、増加傾向にある調査区は島根区西部および隠岐海区に多かった。

藻場に生育している藻類の疎密度が前回調査より減少傾向にある調査区は、全調査区の47%にあたる60区、変化がない調査区は34%にあたる43区、増加傾向にある調査区は5%にあたる7区であり、減少傾向にある調査区は主として島根海区東部、変化がないか増加傾向にある調査区は、島根海区西部および隠岐海区に多かった。このような藻場面積および藻類の疎密度の変化の原因は殆どの場合不明であるが、9地区で港湾工事等の影響が、6地区で魚類養殖や生活排水等の影響が考えられた。

 

詳細別紙一覧表を参照。

 

【資料】第4回自然環境保全基礎調査 「海域生物環境調査報告書 第2巻 藻場」 環境庁 1994年度

 

 

 

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