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ここでは、その結果を分析するものとする。

アンケート配付地域:村井第1・第2・第3、大窪第1・第2・第3・第4・第5、松尾第2・第3、西大路第1・第2 計 1,164世帯

回答数:回答は世帯のうちどなたが書いてもよいこととし、回収数820票、回収率は70.4%であった。

 

1) 属性と家屋の状況

・回答者は高齢者が多いものの、50歳未満のかたも30%以上あり、比較的幅広い意見が回収できた。

・家族構成では、1/3が3世代世帯となっている。

・住宅形状では、約2/3が伝統的な住宅に居住している。用途は圧倒的に専用住宅である。

・持家がほとんどで借家は5%程度である。

・住みはじめた時期は古く、江戸期以来がかなりを占めるほか、昭和60年以降は5%程度にすぎない。ただ、建築時期は近年の建替が増加しているようである。

・桟敷窓があるのは、33軒。そのうち2/3は現在も日野祭りで使用している。

 

2) 住宅の改築等について

・住宅の満足度は60%をこえ、高いものがあるが、不満の理由は「使い勝手の悪さ」が多い。

・新築・改築の予定がある人は18.4%で比較的多くはない。新改築の際、伝統的な建物にしたいと答えた人が半数以上を占めるが、一方現代風にしたいと答えている人も1/3おられる。

・塀は生垣や板塀としたいと答えている人が多く、そのうち7人のひとは桟敷窓を設置したいと答えている。

・この回答では、伝統的家屋に対する愛着は高いものがあるが、世代が若くなるにつれて、現代風にしたい意向が強くなると推測される。

 

3) 住環境について

・住環境については、良いとするひとが70%をこえ、落ち着きが良いこと、買い物の利便性、近隣とのつきあいをその理由にあげている。

・悪い理由は、バラツキがあり、特徴的なものはない。

 

4) 町並み・景観について

・日野らしい景観としては、白壁土蔵、桟敷窓、板塀、格子等があげられている。

・地域的には、ほぼ全域についてあげられているが、清水町、商人館付近、岡本町、綿向神社付近が高い地区となっている。

・日野らしい町並み・景観を残すことには75%以上の人が望んでいる。但し、自分の自治会がその対象となる町並みかということに関しては、良く残っているとする人の比率が少なくなっており、約50%となる。

・保存方法は、ゆるやかな規制を望む人が多い。自分の家が保存対象になった場合の協力度は、約60%ある。

・全体的には、やはりまだ総論賛成で各論になるとまだ未定といったところであろう。

・今後とも住み続けたいとする人が60%を占め、移りたいという人は7%にすぎない。

・まちづくりの方向としては、歴史・自然・利便性・コミュニティ・若者定着が総合されたまちを望んでいる。

 

 

 

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