◆<来訪者の目から>
○見るべきものがたくさんある
○見所である建物には案内板がある
●休憩する所がない
→喫茶店、飲食店、おみやげ屋、
●トイレがない
●大型バスや車の駐車場が少ない
●道案内の看板がないので、どう歩いて良いかわかりにくい
→案内板の工夫と細かい設置
●空き家になっている立派な家の中が見られないのが残念
●曳山倉があるのに、中身の山が見られないのは残念
2] 部分に関して
皆さんから具体的に名前のあがった場所や建物などは以下の通りで、町の中では、村井新町・大窪岡本町・清水町の評価が高かったようだ。
○正野感応丸(薬店)の看板
○野口写真館の建物
○正野家
○日家(洋館とカリンの木とのバランス)
○中井家のレンガ塀
○たばこ屋さんの店構え(細かいタイル張り)
○日野商人館
○若草清水
○信楽院の天井画
○出世稲荷があり、ダマの木が植えられている
○日野椀・日野筒鉄砲
○新築のお宅でも、周りの家屋に合わせて桟敷窓をつけたりしている。
3] 問題点と課題の整理
以上の意見を総合すると、基本的に質の高い歴史的な町並みは非常によく残っているし、建物だけではなく、そこで生活している人たちの暮らしぶりまでが日野町の魅力の一つとなっているようである。しかしその一方で、空き家が増えているのも事実で、その対策の必要性を感じる。具体的には、日野町を訪れる人にとって、中に入られる観光スポットは今のところ「日野商人館」だけなので、立派な空き家をどうにか博物館や資料館などにして、もう少し見所を増やしてもいいかもしれない、という意見が多く、まず課題の一点目としても良いと思う。
二点目として、日野町らしい魅力をもつ地域が非常に広範囲に及ぶので、それらを全て保存の対象にするのはむずかしいのではないかということである。ある程度メインになるエリアを決め、まち歩きルートを作る方がいいのではないかという意見にまとまった。またメインルートを定める際、不足して分かりにくいと指摘されていた「案内板」を設置していくのにも、単なるルートを指し示すものではなく、距離はもちろんのこと、徒歩、自転車、車などそれぞれの移動手段ごとに、現地点から目的地まで、どれくらいの時間がかかるものなのかを、丁寧に来訪者に対して知らせるものが良い。日野町は交通の便が余り良くないので、車で来る人が多い。だから、彼らに対するインパクトも大切だろう。日野らしい、工夫をこらした案内板づくりをしていくことも、大きな課題の一つになるだろう。
三点目としては、日野町に住む人々の意識をいかに、これらの活動に引き込むか、ということである。正野家の近くに新築ながら、周りの景観に配慮して桟敷窓などを取り入れた、日野町らしい家屋を建てた方がおられた。こういう意識をもった方は、町や日野の町並みと景観を考える会から、例えば「美観賞」などで表彰し、彼らの活動に引き込んでいけるようにできればいいのではないか、という意見があった。