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2-3 日野地区の町並みの概況

 

日野地区の町並みの概況を平成11年12月18日(土)に行われた町並みウオッチングを通して、ドキュメント風に見ていきましょう。

 

(1) 豪壮な本宅が連なる西部の町並み

 

1) 出発前に

1班は村井会所を起点に西へ向かうルートである。別名「健脚コース」で、西端は中井家住宅。大まかなルートはあらかじめ決めてあったが、普段からボランティアガイドをされている方の提案で、もっと裏通りを歩いてみることになった。班内で、歴史の目から町を見る人は歴史に強い人、暮らしの目からは町外の人、そして来訪者の目からは町内の人が担当することになった。ルートは村井会所から表通りを歩き、正野薬店の前を通り大聖寺を南へ。それから上岡本町を目指し西へ進み、中井家。そして近江商人館を目指して東へ向かう。清水町や若草清水などを通過して最後は信楽院へ。1時間20分のまち歩きにはちょうど良いルートに仕上がった。

 

2) 実際に歩いてみる

普段からボランティアガイドをされている方がいらっしゃったので、いろいろ細かなことまでお話してくださいながら、かなり濃い内容のまち歩きとなった。地元の方でも、「こんな道あったのか!」と驚かれている方もいらしたほどである。途中、近江商人館の中や信楽院の本堂に入ることもできて、とても充実していたのではないか。

以下にこのまち歩きを通して、皆さんから出てきた意見をまとめてみたいと思う。流れとしては、町全体像に対する意見から、個別なものに対する意見、そしてそれらを総合し、問題点と課題の整理をする。また、○は良かったところ、●は問題点・課題を表すことにしたいと思う。

 

1] 町全体を通し

◆歴史的町並み<歴史の目から>

○歴史の重み、奥ゆかしさ、情緒、風格を感じる。(建物だけでなく、生活にも)

○道がいい

→地割、あて曲げ、ノコギリ状に家が建っている

○家屋がいい

→桟敷窓、紅がら、立派な庭の木々や灯籠

○敷地が広い

→長い塀、段違いの塀がある

○立派なお寺が多い

○曳山倉がある

○蔵が多い

○辻に地蔵堂がある

●空き家が多い

●古く、大きな家を維持するのは難しい

●道を人が歩いていない(生活感、活気がない)

●道が狭いのに車が通るので、道を歩きづらい

●アパートなど景観を壊す建物が増えた

 

◆生活・環境<暮らしの目から>

○町内にゴミが落ちていない

○日行司(日替わりの町内当番)の札がある

○町民内に仲間意識を感じる

→地域コミュニティがしっかりしている

○あて曲げの道は交通事故防止策になっている

●庭木の手入れが大変そう

●バス停が古くて町の雰囲気に合っていない

●側溝に綺麗な水が流れていない

●水路が汚い

●各家の駐車場を確保するのが難しい

●子供の遊び場が少ない

●ちょっと買い物に行くにも車をつい使ってしまう

 

 

 

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