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Q130 褐虫藻はサンゴだけに住んでいるのですか?

A130 褐虫藻は直径が1ミリの100分の1ほどの球形の単細胞の生物で、2本の鞭毛を持った渦鞭毛藻類の仲間で、いろいろな種類がいます。宿主となるいろいろな動物の細胞の中に共生しているときは鞭毛を持たず、分裂して増えます。宿主の外に出たときは2本の鞭毛を持ったプランクトンになります。造礁サンゴには褐虫藻が住んでいますが、褐虫藻と共生していない非造礁性のサンゴもいます。造礁サンゴは暖かい海の光のよく届くような場所に多く、非造礁生のサンゴは深い海にも北国の海にも住んでいます。褐虫藻は、有孔虫のゼニイシにも、海綿にも、サンゴやヒドロ虫類、タコクラゲやサカサクラゲ、ソフトコーラルやイソギンチャクなどの刺胞動物にも住んでいます。また、シャコガイやカワラガイなどの二枚貝類や巻き貝にも共生していることが知られています。このように、褐虫藻類はサンゴだけでなく、いろいろな動物の細胞の中に住んでいるのです。

 

Q131 サンゴの白化とはなんですか?

A131 サンゴが住んでいる場所の環境が悪くなると、褐虫藻がサンゴから抜け出て数が減ったり、色素が抜けたり、死んだりすることがあります。そのようにしてサンゴの中の褐虫藻が減ってほとんどいなくなったりすると、サンゴが色をなくして透き通るようになります。そのため、サンゴの肉を通して真っ白は石灰質の骨がみえるようになります。それがサンゴの白化です。このようにサンゴの中のら褐虫藻が減って白化が起こるのですが、クマノミを共生させている大型のイソギンチャクも、またフトウネタケなどのソフトコーラルなども白化します。白化は、褐虫藻を持っている動物たちが褐虫藻を失った場合に起こりますので、サンゴだけに見られるわけではないのです。サンゴ礁で多くのサンゴが白化すると辺り一面が白くなり、サンゴ礁が白化することになるのです。このような状況が続くと、やがて白化した動物たちが死んでしまうこともあります。

 

Q132 サンゴはどうして白化するのですか?

A132 サンゴの白化を引き起こす原因として、さまざまな環境要因が知られています。水温が異常に高くなったり、大雨で塩分が下がったり、干潮時に干上がって強い直射日光にさらされたり、強い紫外線にあたったり、あるいはそれらのいくつかが組み合わさってサンゴに影響を与え、白化が引き起こされることが知られています。このようなことは、サンゴ礁の浅瀬では普通に起こることですので、干潮時に干上がるような浅瀬のサンゴの群体の一部が白くなることは、しばしば見られることです。サンゴは暖かい澄み切った海水の場所に多いとはいっても、水温が上昇しすぎると調子が悪くなります。

 

 

 

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