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II 生物関連システム

 

F 地球型生命発現の環境

 

Q56 原始地球はどのようにして誕生したのですか?

A56 これまで原始地球の形成については謎の部分が多かったが、最近の惑星科学の発展により、その誕生のはじまりの部分のシナリオがかなりわかってきた。原始地球は超新星の爆発によってばらまかれたガスやチリが集まり、微惑星を形成し、その微惑星が互い衝突し合って大きな惑星に成長していった結果、形成されたのである。微惑星の衝突の際に放出された熱エネルギーにより、原始地球の表面は最初ドロドロに溶けていた。いわゆるマグマの海(マグマオーシャン)である。微惑星の衝突の際に放出されたガスが地球の原始大気となった。微惑星の衝突が少なくなるにつれ、地球表面の温度が次第に下がり、海になっていった。

 

Q57 原始地球の大気組成はどのようなものだったのでしょうか?

A57 現在の地球形成論からは、地球の大気はその誕生時に原始太陽系星雲ガスをそのまま地球大気として取り込んだのでなく、地球に固有のものとして地球誕生後二次的に形成したといわれている。地球表面がドロドロに溶けた高温状態だとすると、二酸化炭素、水蒸気、窒素からなる非酸化性大気が形成される。

 

Q58 生命とは何でしょうか、定義できるのですか?

A58 生命を一言で言い表すことは難しく、簡単には定義できない。しかし、ある側面から生命の特性や特徴を言い表すことは可能である。生命の特性を自然科学の立場から考えてみよう。生命は四つの特性をもっている。すなわち、入れ物をもっている、自己複製できる、自己維持できる、進化することができる、である。入れ物は、脂質とタンパク質からなる細胞膜からできていて、自己複製はDNAの遺伝情報に基づいている。自己維持機能はタンパク質の触媒作用によっており、進化はDNAの突然変異とそれに続く自然淘汰によっている。地球上の生命はこのような特性をもった物質要素からできている。

 

Q59 生命は地球上で本当に誕生したのでしょうか?

A59 われわれの住んでいる地球は、およそ46億年前に形成された。そして、その地球という巨大なフラスコのなかで生命は誕生した。

 

 

 

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