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Deep Space 1-火星、Asteroid 3352 McAuliffe およびコメットP/West-Kohoutek-Ikemuraのフライバイ (1998-2000年)

STARDUST-コメットP/Wild 2 よりのサンプル回収(2006年)

Muses-C-Asteroid 1989 MLよりのサンプル回収(2006年)

COUNTOUR-P/EnckeおよびP/d′Arrest を含む3つのコメットのフライバイ(2004-2010年)

Deep Space 4:Champollion -コメットP/Tempel 1からのサンプル回収(2010年)

Rosetta-コメットP//Wirtanenとのランデブー(2011-2013年)、Asteroid 3840 Mimistrobelおよび2530 Rodariとのフライバイ(2006-2008年)

この他:2008年のサンプル回収を含む火星への多くの探査。

 

Q7 日本の小惑星サンプルリターン計画(MUSES-C)とは?

A7 水を含むような始原的隕石が、どのようにしてできたかを知るには、その物質の故郷である小惑星から直接試料を取ってくる必要がある。文部科学省宇宙科学研究所では、近地球型小惑星から試料を採取してくるミューゼス-C(MUSES-C)計画がある。サンプルを採取して持ち還るのには新しい技術が必要で、地球以外の天体からのサンプルリターンは、アポロ計画以降なかったものであり、その科学的意義はきわめて大きく、内外から大きな関心が寄せられている。無事にサンプルが持ち還られれば、日本の惑星科学者のみならず、世界の研究者にとって大きなインパクトをあたえることは間違いない。ことに始原的な物質が太陽からどのくらいの距離にある、どのようなスペクトルを持った小惑星にあるかを確認できる点で、水惑星の水の起源をさぐる上ではこの上ない探査である。

探査対象となった小惑星は4660番ネレウス(Nereus)であった。軌道長半径1.49AU、離心率0.36、軌道傾斜角1.425゜、公転周期1.82年である。近日点は0.953AUで地球軌道のすぐ内側にあり、遠日点は2.026AUで火星軌道より外にある。このネレウスのように、地球軌道の内側にまで近づいてくる小惑星を近地球型小惑星と呼んでいる。大きさはメインベルトの小惑星に比べ小さい物である。

ハワイ大学のソレン(Tholen)が観測した可視波長域での6色のデータによると、全体に平坦なスペクトルを持っている。1998年夏の観測によってさらに詳細なデータが得られ、スペクトル型がC、Fタイプなどの始原的小惑星の可能性が指摘されている。大きさは約1km前後であろうと考えられている。自転周期も今夏の観測によって15時間程度であることがわかった。現在は、この小惑星に行けなくなったので、1989MLという近地球型小惑星が考えられている。

 

Q8 ミューゼス-C探査機に必要な技術は?

A8 ミューゼス-C探査機は2002年初め、宇宙科学研究所のMV型ロケットで鹿児島県の内之浦から打ち上げられる。2003年に目標天体に到着、周囲に約2ケ月滞在し、観測を行うとともに、小惑星表面の異なる2ヶ所からサンプルを採取した後、地球帰還軌道に入り、2006年に地球付近に達する。

 

 

 

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