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「海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基礎研究」研究報告書

 事業名 海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基盤研究
 団体名 日本科学協会 注目度注目度5


K 資源としての海

正路徹也 (東京大学大学院新領域創生科学研究科教授)

 

1. はじめに

人類を含めて生物は、気圏、水圏、岩石圏の境界部付近に生息している。これら3圏のうち、気圏の下底を通常地球表面という。この地球表面において、70%以上は水圏が占め、海(あるいは海洋)と呼ばれる。残りの30%弱が陸(あるいは大陸)である。人類は、このうち陸域に住む陸生動物である。しかし、人類は海洋から多くの恩恵を受けている。その代表は、食糧資源としての魚貝類である。また、海洋は食塩(鉱物学的名称は岩塩)などの鉱物資源の供給源でもある。さらに、現在陸域に存在する鉱物資源の多くが、過去の地質時代において、海洋で形成された。このように資源の立場だけから見ても、海洋は人類生活にとって、不可欠な存在である。

ところで、人類の歴史は、利用する資源の量のみならず、種類の増加とともに発展してきた。例えば、エネルギー資源は木材などの現世生物の利用から始まり、16世紀には化石燃料である石炭、19世紀からは石油が利用され、20世紀に入ると鉱物資源に分類されるウランからエネルギーを取り出している。素材を提供する鉱物資源を見ても、有史以前から利用されている土石を除いても、装飾としての金から始まり、青銅、鉄などが古代から利用され、近世に入るとアルミニウムやマグネシウムなどの軽金属、さらに近年は希土類も利用され、現在は周期律表に掲載されているほとんどすべての元素が利用されている。これらの資源は、基本的に陸上から供給され、現在海底下からの供給が主となっている資源でも、当初は全量が陸上から供給されていた。このため、資源の生成にとって海洋環境の重要さは認識されているものの、その生成モデルは陸域の地質に基づいて構築されている。これに対し、資源の生成に対する海の役割を明確にすることを目的に、資源の生成環境を海域と陸域に分けて見直してみた。

 

2. 人類と資源

本論に入る前に、なぜ我々が資源を必要とするかを知るために、人類と資源の関係を概観しておく。

現在「資源」という語は極めて広範囲に使われている。例えば、「食糧資源」「水資源」「森林資源」「漁業資源」「鉱物資源」「燃料(エネルギー)資源」などがある。さらに、「人的資源」「経済資源」などという語もある。我々人類は、その生活を維持するために多くの資源を利用している。最も基本的な資源は、生物としての生存に不可欠な水および食糧である。人類が文明化するにつれて、他の燃料資源や鉱物資源も利用されるようになってきた。さらに、近年人類の活動が活発になるにつれて、人的資源や経済資源という概念が重要となってきた。これらの「資源」に共通する概念は、あるプロセスから有効な出力を得るために、そのプロセスに投入される入力といえる。例えば、食糧資源は、それを自分自身の体に供給することによって、命の維持という出力を得ている。鉱物や燃料資源は、製造工程に投入されて、生活を快適にする製品が生まれる。この生産をより効率よく行うためには、人的資源や経済資源が効率よく工程に投入されなければならない。ここで重要なことは、資源はそれ自体を得ることが目的とはならず、目的を達成するのに必要は物質等を指す。したがって、資源は代替物があればそれを使えばよいし、またそれを取得するためにはなるべく余分な資源を消費しない方がよい。そこで、必要な資源を確保するときは、それが集まっている場所から取得するほど効率がよい。田や畑は、人工的に食糧資源を集めた場所を指す。海洋の物理化学的条件により魚等の集まっている場合、そこを漁場という。

 

 

 

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更新日: 2019年3月9日

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