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鉱物や化石燃料資源が集まっている場所は、鉱床と呼ばれる。金属資源の場合、採掘対象とされる元素は地殻存在度(地殻を構成する岩石の平均化学組成)に較べて10〜10000倍濃集している。資源、特に天然資源を考える場合、この「濃集している場所」という概念が必要である。ここでもう一歩表現を進めると、「資源物質の濃集している場所を鉱床」というのではなく、「鉱床を形成することができるから、その物質は資源と呼ばれる」というべきである。別の表現を使うと、「資源は偏在しているのではなく、偏在しているから資源となる」といえる。

資源の消費と世界人口とは密接に関係している。図1に、紀元前1万年から現在までの人口の推移を示す。人口の年増加率にもとづくと、この間は、紀元前5千年以前、紀元前5千年から紀元1670年、1670年から1930年、1930年から現在までの4期に分けることができる。第1期の紀元前5千年以前の世界人口は400万人から500万人とほぼ一定である、第2期の紀元前5千年から紀元1670年までは年率0.071%で世界人口が増加した。さらに、第3期の1670年から1930年の人口の年平均増加率は0.79%、第4期のそれは1.85%である。これらの人口増加率にもとづいて区分された第1期と第2期の境は、農耕の普及あるいは家畜力の利用の普及時期に対応する。次の第2期と第3期の境(すなわち1650年から1700年)は、燃料として石炭の利用が一般化していく時期に、また最後の第3期と第4期の境(すなわち1930年から1940年)は、石油の利用が一般的化していく時期に対応している。

世界におけるエネルギー消費量増加の最大の原因は人口増加である。しかし、個人1人当たりのエネルギー消費量も生活の向上とともに増加する。世界的規模で見た場合、各国の国民総生産(GNP: Gross National Product)とエネルギー消費量の間には相関関係が存在する。例えば、1994年における世界各国の国民1人当たりGNP(P: US$/y・capita)と石油換算エネルギー消費量(E: kg-oil/y・capita)は、

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の間にはいる。式(1)および(2)によると、1994年のエネルギー消費量のGNP弾性値(1単位のGNP増加に対するエネルギー消費量の増加率)は0.8、すなわち約1である。したがって、世界人口が一定でも国民1人当たりのGNPが上昇すると、それに比例してエネルギー資源の消費量も増加する。

 

3. 海と陸

地球は、気圏、水圏、地圏(あるいは岩石圏)という成層構造をなす。固体の地圏は、さらに外から中心に向かって、地殻、マントル、外殻(液体)、内殻(固体)と分かれている。このような成層構造は、地球の歴史45.5億年のかなり初期、おそらく5億年以内に形成され、その後はほとんど変わっていないと考えられている。

地球の外形は、海面を陸域まで延長して得られる曲面で定義する。地球の外形は、地軸(北極と南極を結び地球の中心を通る直線)の周りに回転した回転楕円体で近似できる。ただし、赤道半径(6378km)と極半径(6356km)の差は21.4kmであり、扁平率[=(赤道半径−極半径)/赤道半径]は1/298でしかない。また、固体地球の表面すなわち地殻の上面で最も高いエベレスト山の標局は8.8km、最も低いマリアナ海溝の水深は11.0kmであるから、その高低差は20kmに満たない。

 

 

 

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