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フィリピンヘ行って感じたこと

竹田千鶴子(国際医療福祉大学医療福祉学部3年)

 

フィリピンヘ行ってみて、しみじみ感じたことが2つある。

1つは、「ジャパゆき」と言われるフィリピン女性のことである。彼女達は、28日間で日本文化、STD、日本語について学び、3ヶ月間の実習を終了した後、国試を受ける(性産業を国が認めているというのが不思議だ。)、国試に合格すると興行ビザで6ヶ月間、日本で働くことができる。女性たちは、JAPAN Dreamを夢見て日本へ来るが、そこにはまた多くの問題があるそうだ。フィリピン内で日比混血児が増加する原因も、ここにあるらしい。日本人男性と結婚し、仲むつまじく暮らしている女性ももちろんいる。しかし、二人は音信不通になり、生活に苦労する女性もいるそうだ。フィリピン国内では、この子供たちに対して「DAWN」というボランティア団体(日本人の若者が多くいる)が教育などの支援活動をしているそうである。フィリピン国内においても、日本人男性が性を求めてこの国を訪れることは少なくない。以前の日本の性産業には知的障害者が含まれていたそうである。これら男性の相手をする中に、障害を持つ人が含まれているのではないか、とても気がかりである。

2つめは、フィリピン人の英語力についてだ。ほとんどの人が英語を使いこなせる。しかも、学校教育の中だけで。日本人も小・中学校と義務教育で勉強し、それ以後進学する者に対しては、またしても否応なく英語教育はついてくる。にもかかわらず、英語を使いこなせるようにはならない。せっかくの機会だから、日本は英語力の援助をフィリピンからしてもらい、代わりに日本が医療、技術援助を行う相互支援にしていったらどうか。経済・資金面、がクリアーできれば叶うのかもしれない。私が通う大学には、フィリピン出身の英語教師がいる。英語が速くて聞き取れないといううわさだ(もともと聞き取れなかったらそれは誰でも聞こえないと思う)が、英語を母国語としない者から英語を習うというのも問題はあるのか?

実は、援助慣れしている国民だなーとちょっと思ったときがあった。それは、支援を受けるためなら「いかにして支援を受けるか」は、よく考えるそうだが、自分で仕事を見つけてお金を得て生活しようとは考えていないというお話を聞いたときだ。いままで支援する側も、現物支給が多かったためであろう。今はフィリピンヘ援助している国も減り、(日本が最も金を出している)国民意識も少しは改善されていくことを願う。

今回研修に参加させていただいて、今まで体験したことがない11日間を送ることができた。その中で、新たな人との出会いが一番大きかったことはいうまでもない。これからも、良いネットワークを築いていこうと思う。これからは、医療・保健・福祉のチームプレーが必要とされているのだから。

 

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出発前とは違う我々。

旅の終わりは新しい旅の始まりである。

 

 

 

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