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fellowshipに参加して

渥美裕之(岐阜大学医学部6年)

 

あまりにも感動的なプログラムだったので、何から伝えたらいいのか、分かりません。そこで、このプログラムを通して感じたこと、考えたことをいくつか述べたいと思います。

 

1. このプログラムに参加できて、「本当にラッキーだな」と思いました。

「どうして、自分が国外研修に参加できたのか?」とても不思議でした。というのは、このプログラムに参加したみんなが、あまりにもすごいからです。

みんな知識はもちろんのこと、英語力、リーダーシップ、気遣い、行動の早さ、行動力にとても優れています。何よりも、みんな人間的にとても魅力的でした。その魅力にとても惹きつけられました。

 

2. 「医療とは、何か?国際保健とは何か?」

フィリピン保健所の所長のDr. ラモスの「Weare all human being. We have no boundary. Medicine make human life warm.」という言葉を聞いて深く考えました。「自分たちは、みんな人間なのだ。」という言葉は、よく言われていますが、つい「どこの国の人」という見方をしてしまいがちでした。しかし、彼のこの言葉を聞いて、素直に「ああ、そうか」と思えました。

今まで、国際医療、国内医療、というふうに分けて考えてきましたけど、その境界がなくなった気がしました。このプログラムに参加しておいて、こんな事を言うのも変なのですが、自分の中で「なぜ国際医療をしたいと思うのか?」を考えていました。「なぜ日本の中では、だめなのか?」それが、この「私達は、みんな人間なのだ。」という言葉で、何か自分の中の自問自答が解けた気がしました。そして、神戸WHO所長の川口先生が、「国際、国内、と分けずに、今あなたができることから始めなさい。そして、人にOFFERする事は、心の豊かさになります。」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。

そして、「医療は人の生活を温かくする」という言葉は、ごく当たり前のことなのですが、とてもハッとしました。医療の原点をこのフェローシップで再確認した気がしました。

 

3. ゴミ山で暮らす子供たち。

パヤタスのゴミ捨て山に行って来ました。ここは、30年近く毎日4トントラックが24時間5分間隔でゴミを捨て続けたという山で本当にひどいゴミ山でした。フィリピンでは、法律でゴミ焼却所を作れないことになっており、ゴミはこのように山に捨てられるのです。ダイオキシンがでるから、という理由らしいですけど、なんか変ですよね。

このゴミ山で1ヶ月ほど前、ゴミが崩れて200人から400人の人が亡くなりました。ゴミが崩れる直前に前兆があったので、村人が役所に行って何とかしてくれ、といったらしいのですが、無視されたらしいです。ここに暮らす人は、町長からひどく扱われているようです。そこは、とても臭くハエが沢山いました。実際その山に上ってみたのですが、長靴がないと足が埋まって、ぐちょぐちょになってしまうくらいの泥で、ハエが終始、服に止まり払うことが出来ないくらいでした。

 

 

 

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