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国際保健協力フィールドワークと自分の進路(夢)

薄田大輔(自治医科大学医学部3年)

 

自分が今回の国際保健協力フィールドワークに興味を持ったのは次の理由からだ。自分は中学生のときから国際協力に興味があり、将来は世界を舞台にした仕事をしたいと考えていた。具体的には国連で働きたいという夢を持っていた。高校生になり、今度は、人の役に立つ仕事がしたい、人々から尊敬される仕事がしたいと考えるようになり、医者になって病気や怪我で苦しんでいる人を助けたいと考えていた。しかし、国際舞台で活躍したいという夢も捨てていなかった。大学に入って将来の自分の生き方を模索していた時に、偶然今回のフィールドワークの募集要項が目にとまった。これだと思った。国際協力について知ることもできるし、保健の分野だったら今学んでいる医学の知識も生かせる。ぜひフィリピンに行って、自分の目で見て体験していろいろ知りたい。このフィールドワークヘの参加がきっと自分の将来の選択の指針になるに違いない。こんな単純な理由からフィールドワークに飛びついたわけである。果たしてその結果は...。

今回のフィールドワークに参加して、自分の中で印象に残ったことが2つある。1つは、自分で実際に現地に行って、国際保健協力に携わっている人々の活動を実際に見て、そして彼らから、彼らの生き方・信念・将来設計などいろいろなことについて貴重なお話を聞くことができたことだ。彼らの生き様は自分の理想とするそれとほとんど同じで、それ故にどのようにすれば国際保健協力の分野に携わっていくことができるのか知ることができ、自分の生き方に大変参考になった。特に、自分の大学の大先輩でありWHOの西太平洋地域事務局長であるDr尾身にお会いし、先生のお話を聞けたことはこの上ない喜びであった。この人達にいずれも共通していたことは、目が生き生きしていて自分なりのスタンスを持って活動していたことだ。彼らに特有のオーラを感じた。

2つ目は、国際協力について、いかに自分が無勉強で無知であるか、また、いかに自分の能力が劣っているか思い知らされたことだ。それは、フェローの仲間達との話やディスカッションの中で、さらに行く先々でお会いする方々との出会いの中で何度も痛感した。将来自分が目指している分野なのに、何も知らなかった。いや知ろうと努力してこなかった自分が恥ずかしかった。また、みんなとの話し合いやディスカッションの中でも満足に自分の意見も言えない、自分の意見がない自分のふがいなさに苛立っていた。国際杜会の中で必要とされるのは、自分の意見をもってはっきりとそれを表すことなのに。しかし、今考えると自分の欠けていたところがわかってよかったと思っている。

日本に帰ってきてしばらくが経ったが、五感をフル活用して、見て・聞いて・さわって・話して吸収したことは非常に多い。今はそれを十分消化できないでいる。自分なりに時間をかけてゆつくり消化していこうと思う。また、将来の自分の夢の実現のために今のうちから自己投資することを忘れないでいこうと思う。英検や国連英検などの資格取得をステップにして、英語力にさらに磨きを欠けていきたい。将来、中南米で働きたいと考えているので、スペイン語の能力もアップさせたいと考えている。いずれにせよ、今回のフィールドワーク参加が自分の将来の大きな指針になり、今後何をしていったらいいのか分からせてくれたという意味で大変良かったと思っている。

最後に、今回のフィールドワークに携わったすべての人々に感謝の意を表したいと思う。

 

 

 

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