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結局、その教師が疲れ果てて、うつ状態になった、自殺を図ったという事例があります。

同僚の援助といっても限りがあります。やはり、ここは校長なり教頭などの職場の上司が一緒になって取り組むしかないでしょう。といっても、これはそれだけでうまくいくとは限りません。ここで、カウンセリング.マインドを持ち出すのは少し筋違いですが、生徒の身になって一緒に考え、話し合ってという方法で解決が付けばそれに越したことはありませんし、そういう場合ももちろんあるでしょう。その時は教師としては苦労は苦労として、喜びを感じるとは思います。

そうでない時、前に少しふれたようにその生徒の性格などに著しい問題があって起こってくることについては、通常の教育という範囲では解決の付かないことの方が多いと思われます。短絡的な結論を出すつもりはありませんが、きちんとした見極めをつけて、児童あるいは思春期の相談室などとよく相談して方向を決めることです。そういう時に一人でその判断をするのは、なかなか難しいと思います。そこで、改めて、管理職である校長などが一緒になって、判断し対応を決める必要が出てきます。

上のこととは別に、教師の性格の良し悪しを論ずるのではなく、生まじめで几帳面なタイプの人は、授業やクラブ活動などについて、これでいいのかとか、きちんとやれていないのではないかと悩んだり、疑問を持ったりすることもあるかもしれません。クラスの成績が上がらなかったり、クラスから問題児を出したりすると、自分は教師としての資質に欠けているのではないかと悩んだりすることもあるかもしれません。

また管理職への試験や研修に負担を感じてということも聞きます。

このような場合こそ、職場の上司としての校長、教頭あるいは先輩のカウンセリング・マインド的な対応が重要でしょう。もちろん、職場のメンタルヘルス相談室を利用するということなども考えられます。

教師のメンタルヘルスということについては、まだまだ書くことはたくさんありますが、ここでは、主にどんなことがストレスとなって教師自身が不適応を起こしやすいのかという点について少しふれてみました。

 

 

 

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