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ケ 警察官、消防官、自衛官などのメンタルヘルス

このことについても、前に述べた教師のメンタルヘルスと同様に、一般の職場と共通の問題も多いとは思います。このような取り上げ方をすると、どこの職場でも、その職場特有のストレスがあるというようなことになってしまうかもしれませんが、職業柄ストレスが多いあるいは、この職業なりのストレスもあるのではないかということで、簡単にふれてみることにします。

どこの職場でも人間関係によるストレスというのは当然あるわけですが、このような職種では他と比べて、上下の関係がより厳しかったり、階級制度というのが、ストレス要因の一つになる可能性もあります。

階級制度がよくないといっているわけではなく、第2巻でも述べた職場のストレスの中で出てきたように、職場の人間関係によるストレスの中では、部下からみて上司との問題がよりストレスとしてのポイントが高いということとの関連があるかもしれないという点です。

また、このような上下関係の厳しさを要求される職場であるからこそ、上司は自分の身をきちんと律することの他に、部下の性格や資質をよく見極め、理解して、単純な上司としての厳しさだけでない対応をする必要があります。

また、世間でもこのような職場の人たちに対する目というのがあるでしょう。特殊な職業とまでいわなくても、普通の公務員や会社員とは違った職業の人々だと考えてしまいがちです。よく「〜も人の子」といいますから、このような見方をされることは本人たちにとって一種のストレス要因となるかもしれません。何か問題を起こすと、他の職種以上に大きく新聞などで取り上げられかねないということもあります。

上下の絆や仲間意識が仕事上必要であることも理解できないわけではありませんが、それだけにそのことが仕事の上でよい方向に機能するためには、上司の姿勢が大切ですが、もちろん、一般の職場でも同様のことがいえないわけではありません。

 

 

 

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