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人間関係がうまくいかないということはどこに原因があるかという点については、一部第2巻の「2 職場のストレス」の中で取り上げましたが、どちらか一方に問題があるということは少ないのではないかと考えられます。

性格が合わない、物の考え方が違う、人生観の相違、生活に対するあるいは仕事に対するスタンスの違いといったところでそういう事実があるということにとどまってしまいます。よくいう相性がよくないのではないかということは、何かそこにはっきりした根拠はないにしても、何となく気に入らない、何となく気が合わないということは、職場内でなくてもよくあることです。

そういう場合、意識的にいじめという行為をしているのか、そうではなくても結果的にはいじめになったのかということがあり得ると思います。

何ともいえませんがどちらかといえば後者の方が多いような気もします。

友達関係のことを考えてみても、特別な利害関係がある場合は別として、気が合ったもの同士で、食事に行く、どこかへ旅行するなどというのがむしろ普通でしょう。しかし、その時誘われなかったものが、無視されたとか、意地悪をされたと感じるのも当たり前といえば当たり前ですが、別に意識しての意地悪ともいってしまえないかもしれません。

職場の中で上司が、頼みやすい部下、話しやすい部下に、何か仕事を頼んだりすると、それが自然だといえなくはないのですが、それ以外の人たちにとっては、やはり面白くないという結果にはなります。度重なればいじめを受けているという感じを持つかもしれません。

上司は、自分の気持ちを抑えて何でも我慢するようにいっているわけではありませんが、立場を考えると、一言でいえば公平にということになります。後でいじめられる方の問題ということにも少しふれますが、このようなことが、逆に管理職にある立場の人のストレスになるということもあって、冗談のように自分の方が部下からいじめられているよというような話も聞くことがあります。

 

 

 

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