城多又兵衛、アルベルト・レオーネ氏に師事。1959年オペラ「ルサルカ」日本初演のルサルカでデビュー。引き続き「リゴレット」のジルダを好演し、絶賛を博す。1960年「プラハの春国際音楽コンクール」第3位受賞。その実カは国際的にも高く評価される。帰国後は「リゴレット」、「魔笛」、「ドン・ジョバンニ」、「フィガロの結婚」、「トスカ」、「蝶々夫人」、「椿姫」など数多くのオペラで常に主役を演じる。天性の美声と豊な音楽性、類まれな甘美でデリケートな響きを持った日本語の歌唱カで「夕鶴」(團伊玖磨)、「春琴抄」(三木稔)、「香妃」(山田耕筰)など多くの日本オペラにも出演する。特に「夕鶴」では1979年の中国公演、1988年日タイ修好100年記念公演、1995年日本ブラジル修好100周年記念公演で、海外でのオペラ公演に果たした役割も大きい。近年はますますその活躍の場を広げ、名実共にわが国を代表するプリマドンナである。1971年スメタナ賞、1977年ウィンナワルドオペラ賞、1992年第22回モービル音楽賞(洋楽部門)を受賞。東京音楽大学教授、中国藩陽音楽学院名誉教授。
市原多朗(テノール)